人気のカードローンの金利をランキング形式で比較! カードローンを選ぶ際の最重要ポイントである「金利」を、低い順にトップ10にした。金利の決まり方や、利息の計算方法、金利を下げる方法、金利以外にはどこに着目すべきなのかなども紹介していこう。
目次
1,カードローン金利ランキングTOP10
2,ランキングT0P10のカードローンの特徴は?
3,金利でカードローンを比較する際の注目ポイント
4,カードローンの金利はどう決まるのか?
5,カードローンの金利、年利、利息について解説
6,金利を下げる3つの方法
7,カードローンで金利以外に着目したい3つのポイント
8,カードローンを「いい借金」にするためには?
1,カードローン金利ランキング――金利 年14.5%が低いか、高いかの目安に
早速10社の人気カードローンの金利ランキングを紹介しよう。ここでは上限金利を基準とし、上限が同じ場合は最低金利が低いものを上位とした。
順位 | ローン名 | 上限金利 (年利) |
最低金利 (年利) |
借入限度額 |
1位 | みずほ銀行 カードローン | 14.0% | 2.0% | 10万~ 800万円 |
2位 | 楽天銀行 カードローン | 14.5% | 1.9% | 10万~ 800万円 |
3位 | 三井住友銀行 カードローン | 14.5% | 1.5% | 10万~ 800万円 |
4位 | 三菱UFJ銀行 カードローン 「バンクイック」 |
14.6% | 1.8% | 10万~ 500万円 |
5位 | J.Score AIスコア・レンディング | 15.0% | 0.8% | 10万~ 1,000万円 |
6位 | オリックス銀行 カードローン | 17.8% | 1.7% | 10万~ 800万円 |
7位 | プロミスのカードローン 「レディースキャッシング」 |
17.8% | 4.5% | 最高500万 |
8位 | アイフル キャッシングローン | 18.0% | 3.0% | 1万~ 800万円 |
8位 | アコムのカードローン | 18.0% | 3.0% | 1万~ 800万円 |
10位 | レイクALSA | 18.0% | 4.5% | 1万~ 500万円 |
一般的な金利の目安は、年14.5%。これ以上であれば高め、これ以下であれば低めと思っていいだろう。
2,各カードローンサービスの詳細を解説――みずほ、楽天、三井住友,三菱UFJなど
ここからは、ランクインしたカードローンサービスにどのような特徴があるか見ていこう。
金利ランキング1位,みずほ銀行 カードローン……メガバンクの規模感が活きて便利
みずほ銀行のキャッシュカードがあれば、カードローンを申し込むことでそれをカードローンの借り入れにも使えるようになる。あるいは、カードローン専用カードを発行することもできる。
申し込みは、Webで完結する。借り入れは、みずほダイレクト(ネットバンキング)利用者であれば、パソコンやスマホ、電話で申し込むと振り込んでもらえる。みずほ銀行ATM、ゆうちょ銀行ATM、コンビニATMで借り入れすることもできる。
返済は自動引落のほか、ATMやみずほダイレクトから任意返済することもできる。
金利は、利用限度額10万円以上100万円未満で年14.0%。利用限度額100万円ごとに金利が設定され、最高の800万円なら金利は年2.0%になる。みずほ銀行住宅ローンを利用すると、金利が年0.5%引き下げられるため、それが適用されると金利は年1.5~13.5%になる。
さらに、カードローンを利用するとみずほ銀行で以下の特典を受けられる。
- みずほダイレクト利用時、みずほ銀行本支店宛振込手数料が0円に
- みずほダイレクト利用時、他行宛振込手数料が月3回まで0円に
日本有数の銀行ならではサービスだ。
金利ランキング2位,楽天銀行 カードローン……最大3万楽天ポイントを獲得できる
スマホから申し込みができ、必要書類は楽天銀行アプリから提出できる。楽天銀行口座は必須ではなく、他行口座を利用した借り入れ・返済もできる。
パソコンやスマホ、電話による申し込みで登録口座に振り込んでもらえるほか、提携金融機関やコンビニのCD・ATMからも借り入れができる。返済は自動引落のほか、提携ATM、ネットバンキング、通常の振込などの方法で随時返済することもできる。
入会特典として、楽天スーパーポイント1,000ポイント(1,000円相当)がプレゼントされる。さらに20万円以上借り入れすると、入会日翌月末時点の利用残高に応じて500~3万ポイント(3万円相当)が付与される。
金利は、利用限度額100万円未満は年14.5%。利用限度額が上がるにつれ金利は下がっていき、最高限度額800万円では年1.9~4.5%になる。
金利ランキング3位,三井住友銀行 カードローン……返済日を4つの設定から選択できる
三井住友銀行の口座がなくても、また銀行窓口に行かなくてもWebから申し込みができ、必要書類もネットで提出できる。すでに同行の普通預金口座のキャッシュカードを持っていれば、申し込みによりキャッシュカードで借り入れできるようになるため、申し込みから契約まで完全にWebのみで完結できる。口座を持っていない場合は、ローン契約機か郵送でカードを受け取ることになる。
借入・返済時の手数料は、三井住友銀行ATMのほか、セブン銀行ATM、ゆうちょATM、三井住友銀行ATM、イーネットATM、ローソン銀行ATMの提携ATMを利用すれば無料で利用できる(※)。返済は自動引落のほか、SMBCダイレクト(ネットバンキング)による振込やATMでの入金なども選択できる。
返済日は毎月5日、15日、25日、末日のいずれかを選択できるので、給料日などに合わせた設定ができるのもうれしいポイント。
金利については、利用限度額100万円以下の場合は年12.0~14.5%。以降、利用限度額100万円ごとにそれぞれ設定され、上限の700万円超800万円以下の枠では年1.5~4.5%になる。
※普通預金口座との兼用カードの場合、ゆうちょATMは利用不可
金利ランキング4位,三菱UFJ銀行 カードローン「バンクイック」……ATMで1,000円単位から借り入れできる
パソコンやスマホ、電話で申し込めるほか、同行ATMコーナーなどに設置されたテレビ窓口でオペレーターと話しながらその場で申し込むこともできる。同行の普通預金口座を持っていれば、申し込み時の入力項目が少なくてすみ、さらにカードが手元に届く前でも振込による借り入れができる。
返済はATMからの入金か、三菱UFJダイレクト(ネットバンキング)による振込(振込手数料無料)。
借り入れ・返済時のATM手数料は0円で、同行ATMのほか、セブン銀行、ローソン銀行、イーネットのATMを利用できる。ATMでは1,000円単位で借り入れでき、同行口座を持っていれば振込による借り入れもできる。
金利については、利用限度額10万円以上100万円以下の場合は年13.6~14.6%。以降、利用限度額100万円ごとにそれぞれ設定され、上限の400万円超500万円以下の枠では年1.8~6.1%となる。
金利ランキング5位,J.Score AIスコア・レンディング……hulu無料などユニークな特典も魅力
AIを用いたレンディングサービス。利用者がスマホで簡単な質問に答えると、個人の信用がスコア化(AIスコア)され、それに基づき金利が年0.8~12.0%、利用限度額が最大1,000万円の範囲内で借入条件が決まる。みずほ銀行、ソフトバンク(またはワイモバイル)、Yahoo!JAPANの利用がある場合、その情報もスコア化の要素になる。
借り入れ方法は振込で(振込手数料無料)、返済は口座振替、ペイジー、銀行振込のいずれか。
AIスコアはローンの借入条件の審査に使われるだけでなく、スコアが高いとそれに応じてさまざまな特典が提供される。利用できる特典はスコアによって異なり、スコア数にかかわらず利用できる特典には「honto電子書籍ストア」で使える1,000円クーポン、「Hulu」の無料トライアル期間延長、ソフトバンク通信料金割引などがある。
金利ランキング6位,オリックス銀行 カードローン……独特ながん保障特約付きプランも用意
パソコンやスマホから申し込みができ、必要書類は所定の方法でアップロードする。審査では勤務先への在籍確認が行われるので注意したい。審査に通ると、カードが送られてくる。
借り入れは、パソコンやスマホ、電話による申し込みで指定口座へ振り込んでもらえるほか、ローンカードを使って提携ATMから引き出すこともできる。返済は口座引落、ATMからの入金、返済専用口座への振込などを利用できる。
借り入れ・返済時のATM手数料は0円で、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行、西日本シティ銀行、セブン銀行、イーネット、ローソン銀行、イオン銀行のATMを利用できる。
金利は、利用限度額100万円未満の場合は年12.0~17.8%。以降、利用限度額100万円、あるいは50万円ごとに設定される。上限の700万円超800万円以下の枠では年1.7~4.8%になる。
オリックス銀行のカードローンの最大の特徴は、利用限度額100万円以上から「がん保障特約付きプラン」に保険料の負担なしで申し込めることだ。死亡・高度障害やがんの診断が確定した場合に、その時点の借入残高に保険金が充当されて返済不要となる。ただし、それ以降の新たな借入がある場合は返済する必要がある。
金利ランキング7位,プロミスのカードローン「レディースキャッシング」……30日無利息サービスも
女性のためのカードローンをうたっており、問い合わせ電話窓口の対応は女性オペレーターのみ。主婦・学生でもアルバイト・パートで収入があれば申し込みができ、Webのほか、来店、郵送でも申し込める。
借り入れはWebや電話で申し込むと最短10秒で振り込んでもらえるほか、プロミスの窓口やATM、提携ATMから借り入れができる。また振込による借り入れの形で、三井住友VISAプリペイドカードにチャージすることもできる。
返済は自動引落のほか、インターネット返済、プロミス店頭やATM、提携ATMでの返済、ファミリーマートのマルチメディア端末を利用して返済することもできる。返済期日は、5日、15日、25日、末日の中から選べる。
利用限度額は最高500万円で、金利は年4.5~17.8%。なおプロミスを初めて利用する人が、メールアドレスを登録した上で紙の明細書を発行する代わりにウェブ上で明細を確認する「Web明細」を利用すると、30日間無利息になる。
プロミスにはポイントサービスがあり、同社ネットサービスの利用などでポイントが貯まる。貯めたポイントは提携ATM無料化のほか、一定期間の無利息化にも使うことができる。
金利ランキング8位,アイフル キャッシングローン……最短30分で審査、即日融資も
Webから申し込みができ、最短30分で審査が完了する。そのままネットで契約もできて、即日融資も可能だ。カードが手元に届く前でも口座振込による借り入れができ、スマホアプリを用いるとセブン銀行ATMからカードレスで借り入れすることもできる。
カードは郵送や店頭受け取りのほか、無人契約でんわBOX「てまいらず」で受け取ることもできる。カード発行後は、セブン銀行のほか、ローソン銀行、三菱UFJ銀行、イオン銀行、イーネット、西日本シティ銀行、親和銀行、福岡銀行、熊本銀行のATMから借り入れすることもできる。
カードを発行しないとう選択肢もある。Webでの契約時に「カードレス」「口座振替(自動引落)」を選ぶと、カードを含む郵送物は一切送られてこないので、プライバシーを重視する人にはメリットだろう。
利用限度額は最高800万円で、金利は年3.0~18.0%。なおアイフルを初めて利用する人は、最大30日間無利息になる。
金利ランキング9位,アコムのカードローン……30日間金利0円サービスを展開
Webのほか、店頭窓口や自動契約機「むじんくん」からも申し込みができて、最短30分で審査完了。「むじんくん」ならその場でカードが発行され、土日祝日でもATMで即日融資が可能だ。ネット契約の場合、カードの受け取りは自宅への郵送のほか、店頭窓口または「むじんくん」で受け取ることもできる。
借り入れはネットか電話で申し込んで振り込んでもらうほか、店頭窓口、アコムATM、コンビニなどの提携ATMでも借り入れができる。返済は自動引落のほか、インターネット返済、振込、アコムATM・提携ATMでの入金、店頭窓口での返済などの方法がある。提携ATMは、セブン銀行、ローソン銀行、イーネットのATMだ。
金利については、利用限度額99万円以下の場合は年7.7~18.0%。以降、200万円あるいは300万円ごとに設定され、上限の501万~800万円の枠では年3.0~4.7%となる。なおアコムを初めて利用する場合、契約から30日間無金利・無利息となる「30日間金利0円サービス」を利用できる。
金利ランキング10位,レイクALSA……最短15秒で結果がわかり、60分で振り込まれる
Webからの申し込みなら最短15秒で審査結果が分かり、最短60分で振込による借り入れができる。
借り入れは口座振込のほか、スマホアプリによってセブン銀行ATMからのカードレス借り入れもできる。返済は自動引落のほか、各ATMからの入金、ウェブ返済、銀行振込のいずれか。
カードが必要な場合は、Webでの契約後に自宅へ郵送してもらうか、自動契約機で契約からカード発行まで行うことになる。カードを使うと、新生銀行カードローンATMや提携ATM(セブン銀行・ローソン銀行・イーネット)で借り入れ・返済ができる。
金利は、利用限度額100万円未満の場合は年15.0~18.0%。以降100万円ごとに設定され、上限の400万円超~500万円の枠では年4.5%になる。
なおWebからの申し込みでレイクAKSAを初めて利用する場合、限度額200万円までなら契約日の翌日から60日間無利息になる。あるいは借入額のうち、5万円分について180日間無利息になる設定を選択することもできる(初めての契約ならWeb申し込みかどうかは不問)。
3,金利でカードローンを比較する際の注目ポイントは「上限金利」
カードローンには、借入金額限度額ごとに金利が固定されているものと、金利にある程度変動幅を持たせたものがある。それぞれの借入限度額と、金利の適応表を見てみよう。
借入限度額と金利が固定:みずほ銀行 カードローン
借入限度額 | 金利(年利) |
10万円以上100万円未満 | 14.0% |
100万円以上200万円未満 | 12.0% |
200万円以上300万円未満 | 9.0% |
300万円以上400万円未満 | 7.0% |
400万円以上500万円未満 | 6.0% |
500万円以上600万円未満 | 5.0% |
600万円以上800万円未満 | 4.5% |
800万円 | 2.0% |
借入限度額と金利に幅あり:アコムのカードローン
借入限度額 | 金利(年利) |
1万円以上100万円未満 | 7.7~18.0% |
100万円以上300万円以下 | 7.7~15.0% |
301万円以上500万円以下 | 4.7~7.7% |
501万円以上800万円以下 | 3.0~4.7% |
少しでも利息を少なくしたいという心理から、つい下限金利が低いものを選びたくなってしまう。しかし、初めての利用なら借入額上限はそこまで高く設定されず、上限金利がそのまま適用されることが多い。
100万円を借りるとすると、「みずほ銀行 カードローン」の金利は年12.0%、「アコムのカードローン」は7.7~15%。下限金利を見て「アコムのカードローン」を選んでしまいそうになるが、初めてのカードローンを利用する場合は上限金利が適用されるため15%になる。よって、金利が年12.0%の「みずほ銀行 カードローン」を選んだほうがお得ということになる。
4,カードローンの金利はどう決まるのか?――法律、提供会社の業態、借入額の3つ
ランキングを見ると、各社の金利にバラつきがあることがわかる。カードローンの金利は、どのように決まるのだろうか? 金利を決める3つの要因を紹介していこう。
1,利息制限法――借入額によって上限金利は決まっている
金利は、「利息制限法」という法律によって以下のように制限されている。
元本が10万円未満の場合は年利20%を超えてはならない
元本が10万円以上100万円未満の場合は年利18%を超えてはならない
元本が100万円以上の場合は年利15%を超えてはならない
これに従うと、10万円未満であれば最大20%の金利を設定することができることになる。しかし、実際には10万円未満の金額をカードローンで借りる人が少ないからか、多くのカードローンでは18%以内となっている。
2,カードローン会社の業態――消費者金融系か銀行カードローンか
一般的に消費者金融系のカードローンでは、審査スピードなどの利便性と引き換えに、金利の上限が18%に設定されていることが多い。一方、銀行カードローンでは審査が比較的厳しい分、金利の上限が少し低めに設定されていることが多い。この金利の差は、それぞれのカードローンの性質の違いによるものだ。
3,借入額――借入額上限が多いほど低めの金利に
同じカードローンでも、借入額の上限が多くなるほど金利は低くなる。借入額上限は、信用の高い人ほど高く設定される。完済する見込みが高い人ほど、金利は下がるというわけだ。
カードローンの公式サイトには借入限度額と適応金利の対応表が掲載されているが、審査内容によってさらに金利が細かく変わるところもあるので、注意したい。
金利を比較してカードローンを選ぶ際は、どこを見ればいいのだろうか? まずそれを解説しよう。
5,カードローンの金利、年利、利息について解説 計算方法などを把握して賢い使い方を
金利にフォーカスして説明してきたが、カードローンでは年利や利息といった言葉も使われる。これらの言葉の意味を正確に理解することや、適用金利で実際の支払利息がいくらになるかを見ておくことは、カードローンを使う上で重要なポイントになる。
金利、年利、利息はどう違うのか
それぞれの言葉の意味を端的に説明すると、以下のようになる。
金利……借入額に対してどれくらいの利息が発生するかをパーセント表示したもの。
年利(年率)……借入期間が1年間の場合の金利。
利息……借入額に加えて支払う手数料のようなもの。金利から算出される。
利息を計算する方法
気になるのは、「借入額に対して返済額がいくらになるか」だろう。つまり、借入額と利息額の合計だ。利息額は、以下の計算式で算出できる。
・利息額=借入額×年利(実質年率)÷365(うるう年は366)×借入日数
たとえば100万円を年利18%で借り入れ、2年で返済するケースでは、利息額は、
・100万円 × 0.18 ÷ 365 × 730 = 36万円
となる。
借入金額100万円の場合の返済額をシミュレーション
年利18%での単純な元利合計額は136万円だが、ほとんどのカードローンはリボ払いになっている。毎月の借入残高に応じて利息額を算出しているので、残高が減っていくのに伴って利息も減っていくことになる。そのため、実際の利息計算はもっと複雑だ。
利用カードローン | J.Score AIスコア・レンディング |
借入金額 | 100万円 |
金利(年利) | 12.0% |
返済期間 | 6ヵ月 |
参考までに、上記のケースで先ほどの利息計算式を当てはめると、利息は約6万円となる。しかし、実際は毎月17万2,548円の返済で、総額は103万5,288円となる(うち利息分3万5,288円)。
6,金利を下げる3つの方法――一括返済、見直し、目的別ローンの利用
金利によって返済額が大きく変わるわけだが、金利を下げる方法はあるのだろうか?
方法1,「一括返済」――返済期間を短縮化する
これは、すでにカードローンの借入がある人のための方法だ。カードローンの返済では、返済期間が長くなるほど利息の総額が大きくなる。そこで、経済的に余裕のあるときに借入残高を一度に返済する「一括返済」を検討したい。
一括返済をすると利息総額と返済総額を減らすことができるので、借入額が大きい場合はメリットも大きい。金利(年利)15%で30万円を借り入れて、毎月1万円ずつ返済している場合で、
- 6ヵ月後に一括返済したケース
- 12ヵ月(1年)後に一括返済したケース
- 一括返済せず38ヵ月(1年2ヵ月)かけて完済したケース
を比較すると以下のようになる。
一括返済期日(返済期間) | 一括返済額 | 返済総額 |
6ヵ月後(6ヵ月) | 26万1,305円 | 32万1,305円 |
12ヵ月後(12ヵ月) | 21万9,616円 | 33万9,616円 |
一括返済なし(38ヵ月) | ― | 37万4,817円 |
返済総額は、一括返済なしの場合と比べて、6ヵ月後に一括返済した場合で5万3,512円、12ヵ月後に一括返済した場合でも3万5,201円安くなる。利息負担がそれだけ軽くなったということだ。
一括返済には、利息が減るだけでなく以下のようなメリットもある。
・カードローンを活用しやすくなる
カードローンの借入残高が多いとその分借入可能額が減るので、いざというときに必要な金額を借りられないおそれがある。用途が不問で必要なときにいつでも借入ができるというカードローンのメリットを生かすには、経済的に余裕があるときに一括返済をして、いつでもまとまった金額を借りられるようにしておくのが賢い。
・信用情報に完済した情報が残る
信用情報機関に登録されている借入額(未返済額)が多いと、他社カードローンやクレジットカードの審査でマイナスに働くことがある。逆に、カードローンを完済したという情報は「借りたお金をきちんと返す人」であることの証明となり、カードローンやクレジットカードの審査でプラスになる。
このように一括返済にはメリットが多いが、一度に返済することで預金(貯金)残高が大きく減って、急な出費に対応できなくなってしまう場合や、入学・結婚・引越などの大きな出費の予定がある場合は、無理をしてまで一括返済をする必要はない。
一括返済を行ってもまだ十分な蓄えがあり、毎月の家計が黒字になる場合は、検討したほうがいいだろう。
方法2,「見直し」――金利を低下させ支払い総額を少なくする
こちらも、すでにカードローンの借入がある人が取れる手段である。「見直し」とは、金利の高いカードローンの借入残高を、金利の安いカードローンへ移すことだ。当然借換後も返済は続くが、金利が安くなる分利息負担が軽減される。
横浜銀行の公式サイトでは、借入期間5年の場合の借換シミュレーションが紹介されている。
見直し前の諸条件
借入額 | 金利(年利) | 毎月の返済額 | |
A社ローン | 90万円 | 17.8% | 2万3,000円 |
Bクレジットカード分割払い | 80万円 | 14.75% | 1万9,000円 |
合計 | 170万円 | - | 4万2,000円 |
1つにまとめて見直した後の諸条件
借入限度額 | 借入額 | 金利(年利) | 毎月の返済額 |
200万円の場合 | 170万円 | 11.8% | 3万8,000円 |
1,000万円の場合 | 170万円 | 1.5% | 2万9,000円 |
借入限度額が200万円に設定された場合、金利(年利)は11.8%となり、見直しをしない場合と比べて毎月の返済額が4,000円減る。また、借入限度額が1,000万円に設定された場合は、毎月の返済額が1万3,000円減る。返済額が大きく変わることがわかるだろう。
複数のカードローンで借入をしている場合、返済忘れなど管理がおろそかになることがある。「見直し」を行うことで、返済管理がしやすくなることもメリットと言えるだろう。
方法3,目的別ローンの利用――カードローンよりも低金利
3つ目の方法は「目的別ローン」の利用で、これからローンを組む人が取れる方法だ。
目的別ローンは、その都度必要に応じて借入や返済ができるわけではないが、カードローンよりも金利が安いことが多い。カードローンで借入をする前に、目的に合った目的別ローンがないか確認したほうがいいだろう。
目的別ローンには自動車ローン、住宅ローン、教育ローンなどがあるが、その他にもローン会社や銀行でさまざまな種類の目的別ローンが提供されている。イオン銀行の例を見てみよう。
ローン名 | 金利(年利) | 借入限度額 |
フリーローン | 3.8~13.5% | 10万~700万円 |
自動車ローン | 3.8~8.8% | |
教育ローン | ||
住宅ローン | ||
リフォームローン | ||
輝く女性サポートローン (語学・ビジネススクール・美容など) |
||
ペットローン (ペット購入・トリミング・健康維持など) |
||
サブカルローン (趣味のコレクション・イベント参加費など) |
||
デンタルローン (ホワイトニング・歯列矯正・インプラントなど) |
||
自転車ローン・バイクローン |
このように、フリーローンだけでなくバリエーション豊かな目的別ローンが提供されている。
7,カードローンで金利以外に着目したい3つのポイント――特典、利便性、利用サービスとの関連性
カードローンを比較検討する際は、金利以外にもいくつか着目すべきポイントがある。
ポイント1,特典がもたらしてくれるメリット――ATM手数料無料も
カードローンには、特典が提供されているものがある。たとえば「みずほ銀行 カードローン」では、借入中は同行のATM時間外手数料や、同行本支店宛て振込手数料が無料になる。このような手数料を頻繁に支払う人にとって、これは大きなメリットと言えるだろう。
カードローンを比較検討する際は、特典にも目を向けたい。
ポイント2,返済の利便性――返済遅延を防ぐためにも重要
返済時・借入時に手数料無料で利用できるATMが、利用しやすい場所にあるかどうかも重要なポイントである。返済のためにわざわざ交通機関を使って移動したり、手数料を支払って返済したりするのでは、金利の安いところで借りた意味がなくなってしまうからだ。
返済しにくいと、つい忘れて延滞してしまうおそれもある。延滞してしまうとカードが利用停止となったり、信用情報に傷がついたりするだけでなく、返済日から遅れた日数分の「遅延損害金(延滞利息)」が発生する。通常、遅延損害金は年利20%とカードローンの金利よりも高く設定されているので、その分もマイナスになる。
「オリックス銀行 カードローン」では、「がん保障特約付きプラン」に保険料無料で申し込める。これは、死亡・高度障害、あるいはがんの診断が確定した場合に、保険金がその時点の借入残高に充当されるというものだ。
カードローンを選ぶ際は、一般的な金利の目安である14.5%と比べつつ、このような特典や利便性なども検討材料に入れるべきだろう。
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ポイント3,自分がすでに使っているサービスとの関係を考慮する――ポイント獲得など
ポイント1「特典がもたらしてくれるメリット」や金利にも関係してくることだが、自分がすでに使っているサービスと関係するカードローンの場合、金利や特典の面でメリットが得られることがある。
たとえば「楽天銀行 スーパーローン」では、
- 入会時に楽天スーパーポイント1,000ポイント
- 借入金額に応じて最大3万ポイント
が付与される。すでに楽天グループのサービスを使っている人には、無視できない特典だ。
「J.Score AIスコア・レンディング」では、スマホチャットを通して情報を入力することで信用力がスコア化され、それに応じて融資条件が提示される仕組みになっている。
「みずほ銀行」「ソフトバンク」「ワイモバイル」「Yahoo! JAPAN」における過去の取引情報があれば、スコアを算出する上での分析精度がアップして、融資条件がより良くなる可能性があるという。すでにこれらのサービスを利用していて延滞などがない場合は、「J.Score AIスコア・レンディング」で良い条件で借入ができる可能性が高い。
カードローン選びでは、このようなことも考慮したほうがいいだろう。
8,カードローンを「良くない借金」にしないためには?
借金には、「良い借金」と「良くない借金」があると言われている。リターンの見込めるビジネスへの先行投資や、資産となる土地・家屋の購入のための住宅ローンなどは「良い借金」と言えるが、カードローンはどちらかというと「良くない借金」に分類されることが多い。
しかし、そうとは限らない。自らの返済能力を正しく把握した上で、スキルアップや自己投資などリターンが望めるものに使うなら、カードローンも「良い借金」になる。現状把握ができており、将来展望がはっきりと見えていることが、カードローンを賢く利用するためのカギと言えるだろう。
カードローンを選ぶ際は、リターンが利息分を上回るかどうかをシミュレーションした上で、どのくらいの金利なら許容できるかを冷静に判断してもらいたい。
文・モリソウイチロウ(ライター)
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