カードローンを一括返済すると、利息が減るため、トータルの支払い総額を抑えることができる。大きなメリットがあるため、余裕のあるときに一括返済をするのが賢い選択だ。しかし、余計な手数料がかかってしまう場合もある。カードローンの一括返済について、わかりやすく解説していこう。
目次
1,カードローンの一括返済とは?
2,カードローン一括返済の3つのメリット
3,カードローン一括返済の3つのデメリット
4,一括返済のシミュレーションをしてみよう
1,カードローンの「一括返済」はどんな場合に有効か
カードローンでは、借入金に応じて基本的に毎月決まった額を返済していく。急な支出があった時などでも、現金をキープできるのが大きなメリットだ。しかし、返済期間が長くなるほどトータルの利息額は大きくなっていく。総支払額を抑えたいなら、余裕のあるときに借入残高を一度に返済する「一括返済」を検討したい。
一括返済をすると支払う利息を減らすことができるため、総支払額も少なくなる。借入額が大きい場合は、特に効果的だ。しかし、手元の蓄えを減らすことになるので、タイミングによっては家計を混乱させかねない。一括返済を行ったほうがいい場合と、行わないほうがいい場合について説明するので、参考にしてほしい。
一括返済を行ったほうがいい場合
- 一括返済を行っても十分な蓄えがあり、急な出費に対応できる。
- 毎月の家計が黒字であり、さらにプラスアルファの余裕がある。
- 入学、結婚、引越しなど大きな出費の予定がしばらくない。
一括返済を行わないほうがいい場合
- 一括返済を行うと、預金(貯金)残高が急な出費に対応できないほど少なくなる。
- 毎月の家計が赤字、あるいはぎりぎり黒字である。
入学、結婚、引越しなど大きな出費を予定している。
カードローンでお金を借りたのに、それを一括返済したために家計が危うくなってしまっては意味がない。一括返済は、手持ちの現金とよく相談してから決めるべきだ。
2,カードローン一括返済の3つのメリット 利息額をシミュレーション
ここからは、カードローンの一括返済のメリットを紹介していこう。一括返済には主に3つのメリットがある。
メリット1,総支払額が安くなる
前述のとおり、一括返済をするとトータルの利息額が抑えられるため、結果的に総支払額が安くなる。
一般的な利息の計算式は、以下のとおりだ。
利息額=借入金額×金利(年率)×借入日数÷365日(うるう年は366日)
ほとんどのカードローンでは、毎月の借入残高に応じて都度利息額を計算するので、返済が進んでいくと利息額も減っていく。また、一括返済する場合はその時点の利息額を支払うことになるため、それより長い時間をかけて返済する場合と比べて利息額と総支払額が安くなるのだ。
参考までに、金利(年利)15%で30万円を借入し、毎月1万円ずつ返済するケースでシミュレーションしてみよう。6ヵ月後に一括返済した場合と、12ヵ月後に一括返済した場合、一括返済せず38ヵ月(1年2ヵ月)かけて完済した場合を比較すると、以下の表のようになる。
一括返済期日(返済期間) | 一括返済額 | 総支払額 |
6ヵ月後(6ヵ月) | 26万1,305円 | 32万1,305円 |
12ヵ月後(12ヵ月) | 21万9,616円 | 33万9,616円 |
一括返済なし(38ヵ月) | ― | 37万4,817円 |
一括返済なしの場合と比べて、6ヵ月後に一括返済した場合は5万3,512円、12ヵ月後に一括返済した場合は3万5,201円、総支払額を安くできることがわかる。
メリット2,カードローンが活用しやすくなる
カードローンの借入残高が多すぎると、その分だけ借入可能額が減ってしまう。つまり、いざというときにカードローンを利用できなくなる可能性が高くなるのだ。
たとえば、限度額50万円のうち借入残高が45万円にまで達していると、他のカードローンでは5万円までしか借りられない。
その意味でも余裕があるときに一括返済して、まとまった金額をいつでも借りられるようにしておきたい。
メリット3,信用情報に完済した情報が残る
カードローンの借入額は、信用情報機関に登録される。カードローンを利用しただけで個人の信用に傷がつくことはないだろうが、借入金額が多い場合は他社カードローンやキャッシング枠を設定したクレジットカードの審査にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
借入額を完済した場合も、それが信用情報期間に登録される。遅延なく返済すれば「借りたお金をきちんと返す人」と見なされ、以後のカードローンやクレジットカードの審査でプラスとなる可能性が高い。
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3,カードローン一括返済の3つのデメリット
大きなメリットがあるカードローン一括返済だが、もちろんデメリットもある。どのようなデメリットがあるか見ていこう。
デメリット1,手間がかかることがある
一括返済をする場合、別途その手続きや振込操作、ATMからの入金などが必要になることがある。
たとえば「アコム」だと、アコムATMや提携先ATM、店頭窓口、振込、またはインターネット返済で一括返済ができる。ただし、ATMでは1,000円単位の返済しかできない。残った端数には利息はかからないが、追って店頭窓口や振込、インターネット返済で返済するしかない。つまり、二度手間になってしまうわけだ。
デメリット2,余計な手数料がかかることがある
一括返済の入金方法によっては、ATM手数料などがかかる場合がある。たとえば、「SMBCモビット」では提携ATMで返済することになるが、そこではATM手数料がかかってしまう。
デメリット3,生活が圧迫されることも
一括返済にはメリットが多いとはいえ、十分な蓄えがないのに無理に一括返済してしまうと、生活が苦しくなってしまう。そうなると、またすぐにカードローンを使うことにもなりかねない。
4,一括返済の決定は綿密なシミュレーションをしてから
カードローンの一括返済には、経済的にも大きなメリットがある。しかし、蓄えや家計との兼ね合いをよく考えて行わないと、かえってマイナスの結果を招きかねない。
自分の毎月の収入と支出のバランスを考慮し、どのくらいの金額なら一括返済ができるか、どれくらい総支払額が安くなるかを、よく計算した上で決めよう。カードローン会社の公式サイトの中には、一括返済のシミュレーションができるサービスを提供しているところもあるので、検討する際は利用するといいだろう。
借入の際はもちろんだが、返済の際も無理のない計画が必要だ。
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文・モリソウイチロウ(ライター)
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