そして、車両侵入禁止には客観的な理由があり、必要性を欠く指導だとし、かつ叱責が、直後の会議で重要な役割を担う職員に対して行われたことは、職員の心をざわつかせ、指導方法として相当性を欠くものとした。また、この話が県庁内に広まり、ロジに気をつけないと知事の怒りを買うと沢山の職員を萎縮させた。これらからこの行為をパワハラと判断したと述べた。
が、いくつかの疑問が湧く、先ずは公用車を止める場所を間違えたことだ。【報告書の添付資料8】を見ると、博物館の敷地を入ると直ぐに三差路があり、そこを左折した二差路を右に行くと車止めのある狭い道路(報告書では「歩行者用道路」)があり、左に進むと駐車場がある。
報告書に記された「ロジ」では、公用車の「黒のアルファード」はここを左折して駐車場で知事を降ろし、駐車場右下方で待機する出迎え職員2名と共に、駐車場の下方の道を左斜めに徒歩で進んで、玄関から館内に入ることになっていた。
ならば、待機していた職員2名は、公用車が駐車場に向かわずに「歩行者用道路」に向かったと気付くはずである。が、2名が12:45に駐車場に向かったところ、「黒のアルファード」が駐車していたため、公用車が先に到着したと思い込み、玄関に移動して知事を待った。
そこへ13時少し前に別の「黒のアルファード」が敷地に入って来たので、2名は駐車場に向かおうとした。が、「黒のアルファード」は駐車場ではなく「歩行者用道路」の車止め前で停車した。2名はそこで知事の「何でこんなところに車止めを置いたままにしているのか」との「激しい叱責」に遭う。そこから知事は職員と「歩行専用道路」を歩いて館内に入った(点線)。

【報告書の添付資料8】
つまり、職員には2つのミスがあるようだ。1つは前述の公用車が間違えて「歩行者用道路」に向かったこと。2つ目は、駐車場で待機した職員2名が駐車していた「黒のアルファード」の中を確認せず、勝手な思い込みで玄関に移動し待機したこと。加えて、待機するなら駐車場と「歩行者用道路」の分岐点でするべきであったろう。