知事の叱責は20m歩かされたことよりも「ロジ」に係るこの2つのミスに対するものではなかろうか。報告書には、知事が「入り口まで道が続いていたし、出迎え職員は入り口で待っていたのだから、歩行者道路が車両通行禁止であると知らされていない当時の認識の下で、職員の対応をロジの不適切と考えたことは誤っていない。・・口調は強いものであったが、注意、指導の範囲内である」と述べたと記されている。
だが、会見で委員長は、職員のミスにも、知事の弁明にも全く触れず、もっぱら地下の埋蔵物と知事の言動にのみ言及した。これには大いに疑問がある。筆者も知事と同様の認識の下、昨年9月、本欄に記事を寄せた。

兵庫県知事のパワハラ問題で一言
目下、針の筵に座らされている感のある斎藤元彦兵庫県知事が、8月30日に開かれた兵庫県議会の調査特別委員会「百条委員会」で初めて証言した。告発文に「20メートル歩かされただけで怒鳴り散らした」とある問題については、「(公用車)の進入経路が確保...
主な行為③:空飛ぶクルマの件
大阪府が万博の目玉にし、知事も重点を置いていた事業(空飛ぶクルマ)について、知事レクの日の朝に新聞が事業内容を報道したことに知事が、「この記事は何だ、この事業は自分の直轄である、勝手にやるな」と強く叱責し、職員が事情を説明しようとしても聞こうとせずやり直しと、協議を打ち切った件である。
委員長は、報道は新聞社が独自にその価値を認めて行ったもので、職員が依頼して記事にしてもらったものではないので、この叱責は理不尽と言わなければならないとし、多くの職員を萎縮させたとして、パワハラ認定した。
報告書には、その後、秘書課から産業企画部に「再度協議の日を設定するとの連絡があり」、開かれた協議で知事は本件を了承したとある。が、会見ではこのことには触れずなかった。