形状(タイイング)については、魚が食べている虫に似せるのが一般的ですが、速い流れを数秒流す釣りなので見切られにくく、シルエットが大まかに合っていれば問題ないことが多いです。 カラーもそれほど重要ではなく、視認性を考慮してピンクなどを選ぶ人もいます。

テンカラ釣りは「反応する毛鉤を探す」釣りではなく、「使っている毛鉤に反応する魚を探す」釣りの要素が強いので、必要以上に毛鉤にこだわる必要はありません。まずはテンカラ用の毛鉤セットを購入し、気になったものから試してみるとよいでしょう。

「シンプルさが魅力!」渓流テンカラ釣りタックルを徹底解説 【竿・ライン・仕掛け・毛鉤】毛鉤選びはそこまでシビアではない(提供:TSURINEWSライター・筑井直樹)

テンカラ釣りの基本的な釣り方

テンカラ釣りで釣果を左右するポイントの一つが、狙った場所に正確に毛鉤を振り込めるかどうかです。キャストの基本動作は、アナログ時計の針の動きをイメージすると分かりやすいでしょう。

まずは、竿を2時の位置まで後方に強く振り上げ、一瞬止めます。その後前方に振り出し、10時の位置で止めてキャストするイメージです。

特に重要なのは、後方に振り上げるとき「タメ」を入れることです。しっかりタメを作ることで、ラインが後方に伸びきり、パワーが生まれてきれいなループを描きます。

狙うポイントの選び方

テンカラを流すポイント選びも重要になります。テンカラで釣れる代表的な魚種であるヤマメ・アマゴとイワナでは、好むポイントが異なります。

ヤマメ・アマゴ:流れの中に定位することが多いため、泡立っているような流れの筋や落ち込みなどが狙い目。
イワナ:比較的流れの緩やかな障害物の影などに身を潜めているため、大きな岩の周りや流れの側にできた緩流などに毛鉤を流すと効果的。

このように、魚種によって居着く場所は少し異なりますが、共通するのはエサが流れて来やすい場所を好むこと。渓流釣りではYパターンとも呼ばれる複数の流れが集まる場所や、ICパターンと呼ばれる反転流が発生する場所など、エサが流れてきやすい変化のあるポイントは、積極的にテンカラを投入してみましょう。