また、無加工の生エサはしっかりと塩で締めて使うのが鉄則とのこと。空アワセを繰り返すこの釣りでは、締め方が足りないとすぐに脱落したり、ダラダラになって用を為さなくなる。
いずれの場合もエキスが出なくなったエサは役目終了なので、くたびれたようになる前に新鮮なものに交換していく。

なお、フグは種類によって好物が異なる。ヒガンフグはアオヤギを、コモンフグはエビを好むと言われるので、そのときどちらのフグがメインとなるかでうまく使い分けてほしい。

替えバリを事前に準備
次に替えバリの管理。カットウ釣りでは明確に根に掛からなくても、ハリ先が根に当たるなどして鈍ったらすぐに交換していくのが理想だ。掛けバリはハリスを介してカットウ本体に装着するが、現場でハリスを結ぶ作業をしていると大きなチャンスロスになる。
替えバリは釣行前にハリスをセットし、現場では本体に装着するだけで済むようにしておくことが大前提とのこと。ちなみに、同氏がテスターを務めるヤマワ産業のカットウ仕掛けは、掛けバリの装着部が全てハリス止め仕様になっており、コブ付きの短いハリスが結ばれた替えバリなら迅速に交換ができるので重宝しているとのこと。なお、掛けバリは1釣行あたり20組用意するのが理想とされるので、目安としてほしい。

潮流の変化を感じる
最後に、名人の超感覚の話をひとつ。かなり経験を積まないとできない技だが、成田さんは空アワセをしたときに感じる水の抵抗の変化で、フグの接近を察知できるという。感覚的な話と思うかもしれないが、理にかなっている。
フグが近くにいればその周りの海水に乱流が生じ、一定方向に進んでいた潮流が乱れる。それが抵抗の違いとなって手元に伝わるのだ。これを感じたときは特に集中力を高め、次のアワセに移りたい。