WEリーグの大半のクラブがJリーグの女子部門であることから、パラダイムシフトは困難を伴うだろうが、まず前提として「Jリーグファン」が「WEリーグファン」となることを諦め、全く別のアプローチから集客する方法を見付けなければならないだろう。
昨2024年に創立されたバレーボールのSVリーグの観客動員数比では、男子を10とすると女子は7~8といったところ。もちろん会場キャパシティーは段違いではあるが、女子は健闘しているといっていいだろう。競技そのものの人気に加え、選手個人への「カッコイイ」「カワイイ」といった人気を動員に生かしている点では参考になるのではないだろうか。
また、スポーツというカテゴリーに加えることに抵抗を感じる人もいるだろうが、プロレスも参考にできる。同じ格闘技であるにも関わらず、これほど男女で客層が違うスポーツ興行はないからだ。
現在、女子プロレスは幾度の壁を乗り越えながら再ブームを巻き起こしている。その中心にいるのが次々とアイドルレスラーを生み、実際、元グラビアアイドルの愛川ゆず季氏をリングデビューさせた女子プロレス団体「スターダム」だ。彼女たちに憧れ、応援する層は主に中高生を含む若い女性である。
試合内容を損なうことなく、選手を“アイドル化”させ、ショーアップする手法は賛否両論を呼ぶだろう。競技性では男子のJリーグに敵わず、メディアへの露出も期待できないのでなれば、SVリーグや女子プロレスを参考に、新たな客層の掘り起こしを図ってみるのも一考に値するのではないだろうか。