11クラブで始まり、2023/24シーズンからはセレッソ大阪ヤンマーLが加わって12クラブ(うち8クラブがJリーグクラブの「女子部門」)で争われているWEリーグ。それまで開催されていたプロアマ混合のなでしこリーグから、完全なるプロリーグとして創設され、1部、2部、地域リーグとカテゴリー分けされたアマチュアのなでしこリーグとは違い、降格制度はない。試合はDAZNや公式YouTubeでも配信されている。また、将来的にWEリーグ入りを目指すクラブも全国に点在している。
男子サッカーのようにJ1を頂上としたピラミッド型ではなく、WEリーグだけ独立しているような形になっているのが、日本女子サッカー界の現状である。WEリーグのクラブがなでしこリーグのクラブと相まみえる機会は、男子サッカーの「天皇杯」に当たる「皇后杯」のみだ。
また、WEリーグは「ジェンダー平等」を目指し、リーグの参入基準に役員の一定数を女性にすることを定めている。初代のチェアには、JPモルガンなどの職歴がある実業家の岡島喜久子氏が就任し、2代目チェアには、ジャパネットたかた創業者髙田明氏の長女である髙田春奈氏が就いた。
2024年9月、3代目チェアにはJリーグチェアマンの野々村芳和氏が兼任する形となり、副理事長に日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長が就任した。結果、理事9人のうち女性が占める割合が3人となり、スポーツ庁が女子スポーツ団体に向け女性役員割合を40%以上とすることを定めたガバナンスコードに反するとして問題となっている。

欧州女子サッカーブームと比較
一方で、欧州では女子サッカーブームが起きている。2021/22シーズンUEFA女子チャンピオンズリーグ(UWCL)でのバルセロナ対レアル・マドリードの「エル・クラシコ・フェメニーノ」では、バルセロナのホームスタジアム、カンプノウに9万1,553人が集まり、女子サッカーの観客動員数世界記録を樹立した。