それなら……

  1. 鬼界カルデラの大噴火直後、北部九州の縄文人が難を逃れて、当時は無人だった対馬、そして朝鮮半島に渡って定住した
  2. 朝鮮半島には、対馬の隆起文土器と日本産の黒曜石を持って行った

と考えた方がはるかに自然です。

つまり、朝鮮半島古代人は縄文人であり、仮に「渡来人」が日本に来ていたとしても、それは縄文人の末裔ということになります。

あまりにも奇抜な仮説なので、簡単には信じられないかもしれません。しかし、今まで述べたことは、現時点で判明している多くの事実を矛盾なく説明できる、最も可能性の高いシナリオの1つではないでしょうか。

金澤 正由樹(かなざわ まさゆき)
1960年代関東地方生まれ。山本七平氏の熱心な読者。社会人になってから、井沢元彦氏と池田信夫氏の著作に出会い、歴史に興味を持つ。以後、独自に日本と海外の文献を研究。コンピューターサイエンス専攻。数学教員免許、英検1級、TOEIC900点のホルダー。

『古代史のサイエンス2』