多くの人は忘れがちだが、2022年の2月にウクライナ戦争が起きた際も、オミクロン株の形でコロナ禍は続いていた。つまり、ついナチュラルに「客観的には」論法を使って、不快な相手を排除したくなる空気に、社会が覆われていた。それがこの戦争に関する議論を不自由にし、歪ませてきた感は拭えない。
「客観的には」お前の言動はロシアを利する、だからお前はロシア側のプロバカートルだと言わんばかりの態度でSNSを使い倒し、TVに出ては西側のスパイもかくやの調子で虚偽を流し、情勢が変わり名声を失いかけるや官憲に頼って生き残りを図る識者も、目下の大学には居ると聞く。もちろんそんなわがままは、許されない。
戦時に誤りを発信した専門家に「軍法会議」はないのか|Yonaha Jun
8月15日の終戦記念日にあわせて、前回の記事を書いた。実際には兵站が破綻しているのに「あるふり」で自国の戦争を続けさせたかつての軍人たちと、本当は(信頼に足る)情報なんて入ってないのに「あるふり」で他国の戦争を煽り続ける専門家たちは、同類だというのが論旨である。
とはいえまさか、ここまで即座に「そのもの」の事例が飛...
激しい弾圧の下にあった戦前の共産党が、互いをスパイだと疑うなかで「客観的には」の罠に陥り、自滅していったことには同情の余地もある。しかし彼らと異なり、自由なネット社会で「オープン」に繋がりながら、同じ力学に嵌まって罵りあい、傷つけあうのは愚かなことだ。
東野篤子氏と「ウクライナ応援ブーム」は何に敗れ去るのか|Yonaha Jun
東野篤子氏とその周囲によるネットリンチの被害者だった羽藤由美氏が、経緯を克明にブログで公表された。1回目から通読してほしいが、東野氏の出た番組に批判的な感想を呟いただけで、同氏に煽られた無数の面々から事実をねじ曲げて誹謗される様子(3回目)は、私自身も同じ動画を批判したことがあるだけに、血の凍る思いがする。
東...