PDF Reader Pro(2023年)によると、年間で約 2.5 兆件もの PDF が作られていると推計されています。
技術的には「1インチ=72ポイント」という座標系を使って、文章や画像、図表などを正確な位置に固定する仕組みが土台になっています。
紙をスキャンしてデータ化したような“画像”とは違い、テキストや図形をベクター形式で記録するため、拡大・縮小してもレイアウトが崩れにくいのです。
さらに、ハイパーリンクを埋め込んだり、フォームに文字を入力できたりと、ただの“電子の紙”を超えた機能も備えています。
こうして“どんな環境でも同じように見える”という便利さのおかげで、PDF は私たちの生活や仕事の裏側に広く浸透してきました。
そんな「もう当たり前すぎる」存在となった PDF ですが、一時期「PDF は一辺 381 キロメートルまでしか作れない」という噂がネット上で大いに注目を浴びました。
381 キロメートルといえば、アメリカのニューヨーク州やギリシャの面積に近く、ドイツの約 40% に相当すると言われます。「もし紙に印刷するとしたら、とんでもない大きさだ」と興味本位で話題にされ、ツイートや雑学サイトがこぞってネタにしたのです。
(※PDF バージョン 7 の最大サイズ: 381 km × 381 km。https://t.co/Sxz37HMYD1 pic.twitter.com/a4bkgZAjgq)
驚く人もいれば、「そもそも PDF を何百キロも大きくして何に使うの?」と首をかしげる人もいたでしょう。
しかし今回、381キロメートルを超えて、観測可能な宇宙より大きな一辺が37兆光年ものPDFの作成が行われたとの報告がなされました。
いったいなぜこのような滅茶苦茶な数値が実現したのでしょうか?
観測可能な宇宙より大きいPDF
