この自作品への「追記・補註」の試みがどこまで続けられるかについても、「縁、運、根」次第であろう。「根を詰める」わけではないが、最終ゴールまでの精根だけは維持したいと願っている。

注1)不十分ながら、高田生誕120年記念に『高田保馬リカバリー』を編集して、その社会学の側面における大きな貢献についてまとめたことがある(金子編、2003)。また、これまで未着手だった高田「和歌集」3冊からの秀歌を抜き出して、私なりの評釈を加えた(金子、2025近刊予定)。

注2)1993年にこれらをゼーション現象として『マクロ社会学』(新曜社)で一冊にまとめた。その後1999年から2017年までのほぼ18年間で、同じパラダイムで「講座・社会変動」(ミネルヴァ書房)を企画して、全巻10冊と別巻の11冊で完結した。

注3)このような理由で、2020年度に「札幌市・市政功労者」として表彰されたことは、私の社会学研究に基づく学問的実践の評価でもあると喜んでいる。

注4)セレンディピティについては、金子(2018:64)に詳しい。通常の定義は「予期されなかった、変則的な、また戦略的なデータを発見すること」(マートン、1957=1961:97)である。

【参照文献】

  • Horowitz,I.L.,(ed.),1963, Power, Politics and People-The Collected Essays of C.Wright Mills, Oxford University Press.(=1971 青井和夫・本間康平監訳『権力・政治・民衆』みすず書房).
  • 金子勇・長谷川公一,1993,『マクロ社会学』新曜社.
  • 金子勇編,2003,『高田保馬リカバリ―』ミネルヴァ書房.
  • 金子勇,2018,『社会学の問題解決力』ミネルヴァ書房。
  • 金子勇,2025,「高田保馬の『理性』と『感性』-社会科学と和歌の両立」神戸学院大学現代社会学会編『現代社会研究』第11号(近刊予定).
  • Malthus,T.R.,1798=1926,An Essay on the Principle of Population, Printed for J.Johnson.(=1962 高野岩三郎・大内兵衛訳『初版 人口の原理』  岩波書店).
  • 丸山眞男,1964,『増補版 現代政治の思想と行動』未来社.
  • Merton,R.K,1957,Social Theory and Social Structure,The Free Press.(=1961 森東吾ほか訳『社会理論と社会構造』みすず書房).
  • Meyers,M.A.,2007,Serendipity in Modern Medical Breakthroughs, Arcade Publishing.(=2015 小林力訳『セレンディピティと近代医学』中央公論新社).
  • Mills,C.W.,1951,White Collar-The American Middle Class -,Oxford University Press.(=1957 杉政孝訳『ホワイト・カラー』東京創元新社).
  • Mills,C.W.,1956,The Power Elite, Oxford University Press.(=1969 鵜飼信成・綿貫譲治訳『パワー・エリート』(上下)東京大学出版会).
  • Mills,C.W.,1959,The Sociological Imagination, Oxford University Press.(=1965 鈴木広訳『社会学的想像力』紀伊國屋書店).
  • Weber,M.1921,Wissenschaft als Beruf.(=1962 出口勇蔵訳「職業としての学問」『世界思想教養全集18 ウェーバーの思想』河出書房新社:129-170).