国連はかって、”The U.N. owns the science of climate”と自慢げに言い放っていた。これは気候モデルの限界と不確実性を無視した政治的発言で、到底受け入れるべきものではないが、我が国の政府はCO2がすべての元凶のように振舞い、国連やEUなどに唯々諾々として追随している。政策が砂上の楼閣とならないよう、いま一度襟を正して、大局的に見ていくべきではなかろうか。

今求められているのは、モデルに基づいた単線的なシナリオではなく、多様な科学的視点を取り入れた、柔軟で持続可能な気候政策である。その出発点として、私たちはまず気候モデルの構造と限界を正しく理解する必要がある。