タイミングを見計らい、シャープにアワせるとギラリと銀鱗が光る。サオに伝わる重量感がたまらない。流心へと疾走する引きに応じ、サオを上流側へ寝かせながらいなす。何度も沖へ走ろうとする抵抗を楽しみながら、やがて観念したヤマメをタモへ。厚みのある28cmの本流ヤマメ。春を告げる女王に思わず頬が緩んだ。

同じ筋を流すと再びアタリ。越冬明けのヤマメは警戒心が強く、早アワセは禁物。仕掛けを送り込み、目印の下から1、2番目が水面下に沈むのを確認してからアワせる。ヤマメは驚いて流心へ疾走。思わず川へ足を踏み入れ、腰を落として耐える。数度の突進を受け止め、タモへ収めたのは25cmの良型。その後も2尾追加し、次なるポイントへ移動する。
五家荘で追釣
車を走らせ、上流域の五家荘(ごかのしょう)へ。橋上からのぞくと昨年よりも深みが増し、再生が進んでいるように感じた。川へ降りると釣り仲間の山本さんがサオを振っていた。「以前は解禁直後に数多く釣れたが、今は本当に厳しい」とのこと。それでも20cmクラスを2尾上げて満悦の表情でヤマメを披露してくれた。

今度は2人で下流にある大淵を攻めることにし、私は渕尻を攻略。オモリG1、エサはキンパク。オモリとハリの間隔を45cmと広めに取り中層を漂わせるナチュラルドリフトで誘う。仕掛けの送り出しを止め、エサを浮かせるように誘うと目印がじわじわと揺れた。タイミングを見計らい、アワせると強烈な引き込み。流れの緩い淵尻に定位していたヤマメだ。慎重に寄せ、タモに収めたのは23cmの本命。この要領で19~24cmを5尾追加。また、その下流域でも25cmクラスを2尾追加。最終的に2ケタ釣果となり、満足の納竿となった。