激増していた超過死亡が一転して過少死亡になったのはなぜか?

激増していた超過死亡が一転して過少死亡になったのはなぜか?
これまで、新型コロナウイルスの感染者数は、全数把握された速報値が毎日メディアで報道されていたが、5類への移行後は、定点観測施設からの週1回の公表に変わった。一方、超過死亡については、協力に応じた全国の自治体からの死亡数の報告に基づき...

人口動態統計により、感染研の発表で超過死亡が見られた2022年9月と、過小死亡であった2024年9月との月間死亡数を比較したところ、2022年9月は125,463人、2024年9月は124,773人とほとんど変わらなかった。感染研の発表とは異なり、欧州連合統計局に準じて算出した超過死亡は、2022年9月が23,298人、2024年9月が、22,608人であった。この値の方が、国民の実感に近い。

そこで、欧州連合統計局の方法に準じて、日本の超過死亡数を算出し、ヨーロッパ諸国の超過死亡と比較してみた。人口動態統計では、2024年については、11月、12月の死亡数がまだ発表されていないので2023年の値を代わりに用いると、2020年1月から2024年12月末までの超過死亡の合計は880,054人である。

高齢化の進むわが国では、超過死亡がみられるのは当然だという意見もあるので、年齢調整した死亡数も示す。年齢調整することで、年齢構成の異なる集団の死亡数を比較することが可能となり、高齢化の影響を無視できる。宜保美紀氏の計算によると、同期間におけるわが国の年齢調整後の死亡数は、351,278人であった。

武見大臣発言「日本の超過死亡の原因が高齢化にあることは明白だ」は本当か?

武見大臣発言「日本の超過死亡の原因が高齢化にあることは明白だ」は本当か?
超過死亡の増加が国民の間で大きな問題となっているが、武見厚労大臣は、6月25日の記者会見で、 最近のわが国における死亡数の増加は高齢化によると考えられるので、その原因をさらに調査する必要はない と答弁している。 6月に発表された2...