図1 コロナワクチン接種から死亡までの日数
コロナワクチン接種後の死亡数:副反応疑い報告制度は実態を反映しているか?
図2には、副反応疑い報告制度に登録された2,283人の死亡した時期を示す。2021年5月が206人、6月が500人、7月が383人と接種開始早期に集中しており、12月末までの総数は1,494人であった。2022年の登録数は、467人に減少した。2023年になると更に減少し、1月が18人、2月が16人であったが、3月、4月は1人、8月には0人と、1月〜12月の死亡数を合計しても101人にすぎなかった。図1で示すワクチン接種から死亡までの日数とは異なり、死亡した日の報告なので、時間経過による報告バイアスでは説明がつかない。

図2 副反応疑い報告制度に登録された事例の登録時期
図3は、春日井市における80歳以上高齢者のワクチン接種後月別死亡数を示す。各回のワクチン接種が始まると直近のワクチン接種後の死亡数が増えるが、接種直後のみでなく、その後も長期にわたって死亡例は観察されている。高齢者のワクチン接種率が90%以上に達した2021年10月以降は、死亡数が100人を下回る月は見られなかった。副反応疑い報告制度の登録例とは異なり、年度間における死亡数の報告に、大きな差は見られなかった。

図3 春日井市におけるワクチン接種後月別死亡数
次に、副反応疑い報告制度に登録された2,283例のワクチン接種日から死亡日までの日数が、時期によって差があるかを検討した。表1は2021年3月から5月に死亡したNo.1からNo.140の、表2は、2021年7月から8月に死亡したNo.1,001からNo.1,140の接種日から死亡日までの日数を示す。
表1では、接種から死亡までの日数が21日以上であったのは3件のみであったが、表2では、24件が21日以上であった。黄色のマーカーは、接種から死亡までの日数が連続して同じ日数であった事例を示す。表1では、No.47〜No.50が連続して接種から死亡までの日数が1日、No.54〜No.57が4日であったのをはじめ、42件において前後の日数が同じであった。表2では、前後の日数が同じであったのは8件のみであった。
