トランプ米国大統領が、ゼレンスキー・ウクライナ大統領を「まあまあ成功したコメディアン(a modestly successful comedian)」と描写する表現から始まるSNS投稿で、「選挙のない独裁者」と呼んだことが、大きな話題となっている。
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— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) February 19, 2025
この投稿で、トランプ大統領は、アメリカがウクライナに提供した3,500億ドルの巨額さを訴えた。それは欧州が提供した資金よりも圧倒的に多額で、しかも大半が使途不明になっているとも指摘した。そのうえで戦争は、ゼレンスキー大統領とバイデン前大統領によって引き起こされたものだが、今やトランプ政権がそれを終わりにする、と主張した。
一斉にトランプ大統領の人格を否定をする感情的な声が巻き起こった。欧米諸国でも同様の反応が見られるが、日本でも、軍事評論家や国際政治学者やジャーナリストの方々など、これまで「ウクライナ応援団」と言われてきた方々が、とにかくトランプ大統領はひどい、という感情を吐露し続けている。かなり煽情的な発言もSNSで舞っている。
ゼレンスキー大統領そのひともまた、即座にトランプ大統領への反発を表明した。「世論調査では自分は人気がある」、と誇示したうえで、トランプ氏がプーチン大統領の陰謀に篭絡された、といったことを述べた。日本でも、これに呼応して、かなりの数の言論人層が、「アメリカの大統領がプーチン大統領に篭絡された」と繰り返している。
半年ほど前に、私は、「ウクライナ応援団はどこへ行くか」という文章を書いたことがあったが、どうやら「プーチンになったトランプが全てを滅茶苦茶にした」という地点にたどり着いたようである。
