昨日の記事で、石破茂内閣が、多数の防衛大臣経験者を要職に配置して、防衛関係の政策案件を推進する構えであるように見えることを書いた。
石破茂「防衛大臣経験者」内閣への懸念
石破茂・新自民党総裁の組閣に向けた閣僚・党三役の人選が済んできたようである。大きな特徴の一つが、防衛大臣経験者の多さだ。総理になる石破氏をはじめとして、5人の防衛大臣経験者が、要職に就く。
外務大臣に岩屋毅氏に加え、防衛大臣に再任の中...
より具体的には「9条2項削除」論として知られる憲法改正案と、「アジア版NATO」と呼ばれている同盟改編案であろう。どうも両者は、石破氏の構想の中で、結びついているらしい。
アジア版NATOって何?
あすの国会で石破自民党総裁が首相に指名されます。彼の持論はアジア版NATOですが、その意味がよくわからないと話題になっています。
Q. NATOって何ですか?
北大西洋条約機構という軍事同盟で、1949年にソ連との核戦争を想定してつくら...
昨日の記事では、石破氏が典型的な「憲法学通説」の憲法解釈を採用したうえで「だから改正が必要だ」と主張するタイプの改正論者であることを述べた。
石破氏も第二次安倍政権期の2015年平和安全法制成立の推進にあたっていたはずだが、実際には集団的自衛権違憲論への配慮の気持ちが見えるときがある。石破氏は、集団的自衛権は抑制的に使わなければならない、という主張を、各所で繰り返し行ってきている。
伝統的な憲法学通説の教科書では、日米同盟を嫌悪する立場から「集団的自衛権」を絶対悪としつつ、国連中心主義に合致する「集団安全保障」を善としている場合が多い。集団的自衛権は違憲だが、全ての国連加盟国が一致団結して取り組む集団安全保障なら憲法の平和主義の精神に矛盾していない(日本は武力行使については独自の制約があるが)、と日本の憲法学者が憲法学の教科書で説明している場合がある。