どういうことなのか。

日本の軍事評論家は、「親露派」情報にふれているような輩は、「老害」だ、として、嘲笑してきた。

ロシア寄りの情報にもふれたうえで、ウクライナ政府の見解も受け入れ、そして総合的な分析をする努力をへて、肯定的であったり批判的であったりするコメントをする者たちを、「老害」と嘲笑し、軍事評論家たちは、「ウクライナは勝たなければならない」のキャンペーンを展開してきた。

ところがウクライナ政府が「勝利計画」を出している今、どういうわけか、ウクライナ政府の言っている内容を無視する。そして説明されていない「交渉」や「NATO断念」が、ウクライナ政府の意向である、といった解説を行う。

どういうことなのか。

これは、あまりにも錯綜した態度ではないだろうか。

このようなややこしい態度をとるのであれば、最初からロシア寄りの情報にもふれ、ウクライナ政府の言っていることも尊重して受け止めたうえで、自分自身の意見として、ウクライナを肯定したり批判したりする方が、まだましではないだろうか。

軍事評論家の方々には、実際に「老害」学者など決して足許にも及ばない圧倒的な世論と政策への影響力がある。そうであるがゆえに、推し量れない熟慮や配慮といったものがあるのかもしれない。だがそうだとしても、可能な限り、明晰な態度をとっていただきたいものである。

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