もし人類が温室効果ガスの放出によって「とっくに来ていた」はずの氷期を回避しているのだとしたら、温暖化をめぐる善悪の議論は根底から揺らいでしまいます。
著者は、それを
自然にやってくる氷期の地球で暮らしたいのか、それとも人為的に暖かく保たれた気候の中で暮らしたいのか。これはもはや、哲学の問題であって科学の問題ではない。
としています。
この議論を読んで、僕はうーんと思わず唸ってしまいました。個人的には、温暖化が進むことによるメリットの方が、氷期でのメリット(そんなものなく、氷期では作物も採れなくなって人類は滅ぶかも)を大きく上回るとおもうので、温暖化対策は「緩和」ではなく「適応」により重きを置いて、そしてそのかけるお金も程々にして、今火急の問題(貧困問題や災害に対する防災)に限りある人類の英知とお金を使う方が人類にとって良いと思ってしまいました。
中川毅(著)「時を刻む湖 7万枚の地層に挑んだ科学者たち」「人類と気候の10万年史」の前に書かれた水月湖での研究と2012年のサイエンス誌での発表、そして国際標準に水月湖の成果が反映されたことのお話です。
「人類と気候の10万年史」を読んだあと、さらに詳しく「年縞」に興味を持った人、研究者の卵に絶対読んでほしい内容です。研究の面白さ、辛さ、そして人間ドラマが展開されています。
ということで、これから、年縞博物館とカフェでの年縞コーヒー、年縞SANDをたべているところの動画をお楽しみください。
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動画のノギタ教授は、豪州クイーンズランド大学・機械鉱山工学部内の日本スペリア電子材料製造研究センター(NS CMEM)で教授・センター長を務めています。