2012年のサイエンス誌に論文が公開された時は、わざわざアメリカからサイエンス誌のスタッフが日本へやってきて記者会見を行ったとのことで、この発見が如何に人類にとって重要なものだかがわかります。 そのサイエンスの論文は、
A Complete Terrestrial Radiocarbon Record for 11.2 to 52.8 kyr B.P.
として、水月湖の「年縞」から、5万2千年前までの大気の様子がわかったとしています。
Analysis of terrestrial plant macrofossils in annually layered datable sediments yielded a direct record of atmospheric radiocarbon for the entire measurable interval up to 52.8 thousand years ago.
(毎年層状のデータブル堆積物中の地上植物マクロ化石の分析は、52.8千年前までの測定可能な間隔全体にわたって大気中の放射性炭素の直接記録を生み出した。)
(2)二つ目に地球の気候変動と今のCO2削減政策の関連をより深く考えるために。
過去10万年の地球の気候の変化を調べてみると、地球の軌道と自転軸の角度の変化に対応して、氷河期と間氷期(温暖期)があるそうです。そして、氷期と温暖な時代の間で、温度の振幅は10℃にも及ぶそうです。その振幅の周期は2万3千年。そして氷期と氷期の間の温暖期(間氷期)はこれまでに何度も到来しているけど、現在の温暖期がすでに例外的に長く続いているとのことです。
そして、本来なら氷期に入るはずなのに、まだ温暖期が続いている理由として、ある学説は、なんと人間の温室効果ガス排出によるものだと言うことです。つまり、人間が気候を左右するようになった歴史は、産業革命後の100年前ではなく、8000年前に遡るということです。