水谷の負傷離脱で左サイドのコンビ変更を余儀なくされたが、今回のトレーニングマッチで伊藤と後藤が同じレーンで重なる場面はほぼ無し。これは来たる2024/25シーズンに向け好感が持てる要素だ。
「疲れていても出来ることはある」
最前線からの守備(ハイプレス)で相手のパス回しを片方のサイドへ追いやり、栗島朱里と柴田華絵の両MF(2ボランチ)もボールサイドへ移動。この守備原則は昨季と変わらずで、この試合の前半でもハイプレスからのボール奪取でチャンスを作れていた。
問題が生じたのがこの試合の後半で、選手個々の疲弊によりハイプレスの強度が低下。必然的に最終ラインや中盤ラインが下がったうえ、撤退守備時のマークも散漫に。特に相手ボランチを誰が捕捉するのかが、時間の経過とともに曖昧になっていった。
MF栗島も筆者の取材に応じ、この試合で浮き彫りになった守備面の課題に言及している。現時点では昨季の守備コンセプトを変えずに、これを磨き上げる方針のようだ。
ー相手のビルドアップを片方のサイドへ追い込み、ボランチの栗島選手もボールサイドへスライドする。この守備のコンセプトは昨シーズンから変わっていないように見受けられました。(今のところ)守備のやり方は変わらずでしょうか。
「もちろん昨シーズンからの積み重ねや引き続き(継続)なので、何かを大きく変えることはありません。守備のやり方はそのままという感じです」
ー前半はその守備が機能しているように見えました。栗島選手はどう感じましたか。
「前半は自分たちの感覚としても良かったですけど、後半は疲労とかがあったので、そこは課題ですね」
ー疲労でハイプレスの強度が落ちたときの、具体的な解決策は見つかっていますか。
「チームとして何かやっている(新しいことに取り組んでいる)わけではないです。シンプルに、自分も含めてみんながもっと走る。崩れていると思う場所に早く気づいてポジションをとるですとか、疲れてきたなかでも出来ることは絶対にもっとあると思います。でも今日の後半に良い課題が出たので、引き続きやっていきたいです」