ー湘南のセットプレーの守備について伺います。相手選手がゾーンディフェンス(※2)の外側から助走をつけてゴール前へ飛び込んできたときに、守備の脆さを感じます。田中選手はどう感じていますか。

「セットプレーでの失点が一番もったいないです。ただ、ゾーンで守るのが(湘南の今の)やり方なので仕方がないです。自分のエリア(担当エリア)に来たボールを跳ね返せないと、失点に繋がってしまうと思います」

ー今の守備のやり方は変えずに、それを磨き上げるという方針でしょうか。

「そうですね。もっとボールにタイトに行ければ失点は減ると思います」

湘南が相手セットプレー時に敷いているゾーンディフェンスのデメリットは、この守備網の外側からゴール前へ走り込んでくる相手選手の捕捉が難しいこと。ゴール前で立ち止まった状態から守備をする湘南の選手と、勢いをつけてゴール前へ侵入してくる相手選手とでは、競り合いにおいて後者に分がある。今回のG大阪戦3失点目のシーンでも、湘南はゾーンディフェンスの外側からゴール前へ侵入してくる中谷を捕まえられなかった。

今季J1リーグで湘南はセットプレーから多くの失点を喫しており、これが勝ち点取りこぼしの一因となっている。セットプレーの守備の練度向上が急務だ。

(※1)コーナーキックやフリーキックなど、試合再開に際しボールをセットして行うプレーのこと。(※2)各選手が自分の担当区域に入ってきた相手選手をマークする守備戦術。