また、潮の満ち引き・流れが良い時は、沖のほうからほど良い温度の海水が堤防の近くにも流れてくるので、海水が入れ替わり、海水温が高くなり過ぎません。沖のほうからの海水は人間と同じように魚にとっても必要な酸素が多く溶け込んでいるので、魚は一段と元気な状態で堤防の近くにいて、エサを食べようとしてくれます。

釣り用語で「朝マヅメ」、「夕マヅメ」という言葉がありますが、潮の満ち引き・流れが良い時の早朝と夕方は、夏の海釣りのベストタイムなのです。
時間帯は?
早朝と夕方といっても、実際のところ何時まで、何時間釣り続けるとよいでしょうか。早朝の場合は、日中に向けて海水温がどんどん高くなっていくので、時間が経つにつれて条件は悪くなっていきます。夕方の場合はその逆で、時間が経つにつれて条件は良くなっていきますが、日が暮れると真っ暗になるのでジュニアが釣り続けるのは危ないですね。
そこで一つの目安として、早朝の釣りは朝8時頃まで、夕方の釣りは日暮れいっぱいまで、どちらも短い時間で集中して釣ると良いでしょう。
早朝と夕方に釣れる魚の代表例
夏の早朝と夕方に釣れる魚の代表例は、回遊魚のアジ、サバ、イワシなどです。堤防近くで釣れるアジなどは、決してオホーツク海やインド洋のようなはるか遠くの海から毎日泳いでくるわけではありません。元々、堤防の比較的近くのエリア一帯に集まっていて、潮の満ち引き・流れによってその範囲内を泳いで移動しているのです。

早朝と夕方、アミエビをまきエサカゴに入れて魚を寄せるサビキ釣りで手軽に釣れますが、もう一つの魚の代表例は、カサゴ(ガシラ)とベラです。日中のいちばん暑い時間帯は波止より少し遠い所の海底にいますが、早朝と夕方は波止の壁に付いている小さな虫類、エビ・カニ類を食べようと寄ってきています。
