昨日の記事で、第二の論点として、イスラエル不招待の一貫性の問題を述べた。長崎市は、ロシアとベラルーシに加えて、イスラエルを招待しない、という措置をとった。なおパレスチナは招待した。

これに対して、むしろ全ての諸国を招待して共に平和を祈る機会とすべきだったのではないか、という意見と、三カ国のみでなくもっと不招待国を作るべきではないか、という意見がある。

鈴木市長は、むしろ全ての諸国を招待する方向に関心があるようだ。鈴木市長は、「(イスラエルが)紛争当事国であるからこそ呼ぶべきだと思っている。でも、呼んだことによる式典に与える影響を鑑み、総合的に判断した」とも述べた。

長崎市長「政治的理由ではない」9日の平和祈念式典にイスラエル大使招待しない理由に理解求める(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
 長崎市の鈴木史朗市長は8日、報道陣の取材に対し、「原爆の日」の9日に市内で営む平和祈念式典にイスラエルを招待しないとした方針に対し、米国のエマニュエル駐日大使などが式典を欠席する方針を示しているこ

鈴木市長は、2023年4月に市長に就任した。2022年にロシアとベラルーシを招待しない判断をしたのは、鈴木市長ではない。全ての諸国を招待したうえで、平和を祈念する姿勢は、一貫性があるだろう。その判断は、来年以降の平和祈念式典開催の際に、なされることになるだろう。

ただ前市長の判断を覆して、ロシアとベラルーシの招待を再開することもまた大きな判断になるため、今年についてはイスラエルの招待を見合わせる方法をとったことは、責められるべき態度とは思われない。

第三の論点は、日本政府と地方自治体の関係の問題である。G7大使の意向は外交問題なので、地方自治体で判断すべきではなく、日本政府の判断に従うべきだ、という意見がある。長崎市が、被爆都市として、平和祈念式典を催す特別な地位を持っているがゆえに生まれる論点であると言える。