問題なのは、コロナによる死亡数よりも、超過死亡数がずっと多いことである。人口動態統計によると、2023年のコロナによる死亡数は、38,080人であったが、粗死亡数に基づく超過死亡数は248,596人である。20万人に達する隠れコロナによる死亡があったとは思えない。

武見厚労大臣の発言から考えるに、政府は、超過死亡の原因の検討を今後も行うつもりがないのであろう。超過死亡は、言ってみれば、現代の日本が抱える病である。臨床医は、病人に対しては、副作用が少なく、最も即効性のある処方を考える。

10月以降に8回目のワクチン接種が予定されているが、いくつか挙げられている超過死亡の原因に対して、即座に取りうる唯一の処方は、これ以上、ワクチンを接種しないことである。諸外国で、ワクチン接種を中止しても、コロナが流行していないことを考えると、ワクチン接種の中止によるデメリットは考えにくい。

わが国にとって、人口減少への対策が最大の課題である現在、政府には、若年者を含めた国民の死亡数の増加を抑えるつもりはないのだろうか。