高額商品を購入する時に便利なのが、クレジットカードの分割払いだろう。しかし、その分割払いができないことがある。どういった場合に分割払いができないのか、6つの理由と対処法について解説する。

理由1――店舗が分割払いに対応していない

クレジット決済をするときに「一括払いのみ承りますが、よろしいでしょうか?」と言われたことはないだろうか。店舗によっては分割払いができず、一括払いのみしか受け付けていないことがあるのだ。

その場合は一括払いしか選択肢がないが、カード発行会社によっては後から分割払いに変更できることもある。

たとえば三井住友カードでは一括払い、2回払い、ボーナス一括払いを、後で3~36回払いに変更できる。MUFGカードでは1回払い、ボーナス一括払を後で3~24回払いに変更できる。

ただし、後から支払い方法を変更できないカードもあるので、事前に確認しておいたほうがいいだろう。また支払い方法を変更できるカードでも、申し込み期限を過ぎると変更できないので注意したい。

理由2――カードが分割払いに対応していない

店舗ではなく、クレジットカードのほうが分割払いに対応していないケースもある。

たとえばセゾンカードの支払い方法は、基本的に1回払い、2回払い、ボーナス一括払い、ボーナス2回払い、リボ払いのみとなっており、回数指定の分割払いは一部のカードを特定の店舗で利用した場合しか選択できない。

ダイナースクラブカードも支払い方法は1回払い、ボーナス一括払い、リボ払いのみだ。

またアメックス(アメリカン・エキスプレス)でボーナス払いや分割払いを利用するには事前の登録が必要で、カード入会時の審査とは別に改めて審査を受ける必要がある。

理由3――希望する分割回数に対応していない

分割払いの回数は、カード会社によって異なる。たとえば楽天カードの場合は、2回、3回、5回、6回、10回、12回、15回、18回、20回、24回、30回、36回から選ぶ。そのため、4回払いや7回払いは指定できない。

高額商品を分割で購入するのなら最大分割回数も気になるところだろう。イオンカードは最大60回まで分割できるが、三井住友カード、オリコカード、JCBカードなどは最大で24回までだ。

このように分割回数はカード会社によって違っているため、自分の持つカードについて事前に調べておきたい。
 

カード名 楽天カード イオンカード 三井住友カード
デザイン 楽天カード イオンカード 三井住友カード
年会費 1% 0.5% 0.5%
最大分割回数 36回 60回 24回
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理由4――利用限度額をオーバーしている

分割払いを使っているとクレジットの利用限度額を気にしなくなり、気づかずに利用限度額をオーバーしてしまうことがある。その場合、分割払いはもちろんのこと一括払いでもクレジットカードが利用できなくなってしまう。

またクレジット利用限度額のほかに、分割払いやリボ払いで利用できる金額の上限を示す割賦取引利用可能枠というものがある。これは割賦販売法に基づいて、年収や同一生計人数、居住形態などから算定されるものだ。

割賦取引利用可能枠はクレジットカードの新規発行時と更新時、利用限度額の増枠申請時に算定され、これを超える分については分割払いができない。

理由5――過去に延滞がある

カード支払い専用の銀行口座を使っている場合、その口座へお金を入れておくことを忘れて、うっかり延滞してしまうことがある。こうした延滞であっても何度か繰り返してしまうと、分割払いなど一部のサービスの利用が停止される可能性がある。

もし過去の延滞が原因なら、そのペナルティを解除してもらうため、今後は延滞することなくきちんと支払っていくことで信用を取り戻すしかない。

理由6――クレジット枠の現金化を疑われている

商品券やギフトカード、パソコン、時計など換金性の高い商品を連続して購入した場合、クレジットで購入した商品を換金する、いわゆる“クレジット枠の現金化”を疑われて分割払いやクレジットカードそのものが利用できなくなってしまうことがある。

そうした事態を防ぐには、クレジットカードで換金性の高い商品を連続して購入しないことだ。

理由不明ならクレジットカード発行会社へ問い合わせを

これまで分割払いができていたのに急にできなくなった場合は、カードの使い方に何らかの問題があると考えていいだろう。それでも分割払いができない理由がわからない場合は、クレジットカードの発行会社に問い合わせて理由を聞き、それを解消するようにしよう。

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。


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