年会費無料のクレジットカードが多い中、年会費を支払ってまでゴールドカードを持つ意義はどこにあるだろうか。年会費無料の一般カードと比較しつつ、ゴールドカードのメリットやデメリットや、選び方についても説明する。自分に合うゴールドカードを選ぶための参考にしてもらいたい。
目次
1,ゴールドカードの位置付けは?
2,ゴールドカードの申し込み資格と審査基準
3,ゴールドカードの5つのメリット
4,ゴールドカードの2つのデメリット
5,ゴールドカードの選びの3つのポイント
6,ゴールドカード選びの判断基準
1,クレジットカードのグレードの中でゴールドカードの位置付けは?
クレジットカードのグレードは、一般カードよりもゴールドカードのほうが高い。同じカード会社なら、一般カードよりもゴールドカードのほうが年会費は高いが、特典やサービスが充実している。
年会費に関しては、一般カードは無料か1,000~2,000円程度と安く設定されているものが多い。これに対してゴールドカードは、3,000円~1万円程度に設定されているものが多い。利用可能枠の上限も、通常はゴールドカードのほうが高く設定されている。
ただし例外もあり、たとえばアメックスグリーン(アメリカン・エキスプレス・カード)は一般カードだが、他社のゴールドカード並みのサービスが付帯し、年会費は1万3,200円(税込)だ。
エポスゴールドカードは条件を満たすと通常5,000円(税込)の年会費が永年無料になるが、特典・サービスはアメックスグリーンのほうが勝っている。
このように、カード会社が異なればゴールドカードよりも一般カードのほうが特典・サービスの内容が勝ることもある。しかし同じカード会社であれば、一般カードよりもゴールドカードのほうが特典・サービスが充実していることは確かだ。
2,ゴールドカードの申し込み資格と審査基準 属性とクレジットヒストリーに注目
ゴールドカードの審査で多くのカード会社が公開している要件は、「年齢」と「年収」の2つだ。しかしネットの口コミ情報などを見ると、その他の要素も審査の対象になっていると思われる。推測の域を出ないが、どのような要素が審査の対象になる可能性があるかを紹介しよう。
審査対象要素1,属性 職業、住居や家族校正
- 職業(会社員か公務員か自営業か)
- 住居(戸建てか集合住宅か、持ち家か賃貸か)
家族構成
などが代表的な要素と考えられる。その他審査に関係するものとしては、勤務先(上場・非上場、規模や年商など)や勤続年数もあるようだ。
属性情報は、申込みをした人の返済能力を確認するために使われる。
審査対象要素2,クレジットヒストリー クレジットカードの利用履歴
クレジットカードヒストリー、通称「クレヒス」も重要だ。これは、クレジットカードやローンの利用履歴のこと。クレヒスからは、
- クレジットカードの支払いに遅延がないか
不相応な金額の分割払いやキャッシング金額の設定はないか
など個人の信用情報がわかるため、一般カードよりも利用限度額が高いゴールドカードの入会審査では役に立つ。
ちなみにクレヒスは、信用情報機関に問い合わせれば自分の情報を確認できる。ゴールドカードに申込む際、心配な人はチェックしておくといいだろう。
【初めてのゴールドにおすすめのカードはこちら】
カード名 | dカードGOLD | 楽天ゴールド | 三井住友カード ゴールド | JCBゴールド | セゾンゴールド・アメリカン ・エキスプレス・カード |
---|---|---|---|---|---|
デザイン | |||||
年会費 | 11,000円 | 2,200円 | 11,000円 ※初年度無料 |
11,000円 ※初年度無料 |
11,000円 ※初年度無料 |
通常還元率 | 1.0% | 1.0% | 0.5% | 0.5% | 0.75% |
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3,ゴールドカードの5つのメリット ポイント還元率の高さ、空港ラウンジ利用、付帯保険など
次に、ゴールドカードの5つのメリットを1つずつ説明していこう。あくまで一般論であり、すべてのカードに当てはまるわけではない。
ゴールドカードのメリット1,ポイント還元率が一般カードより高い
一般カードよりもゴールドカードのほうが、ポイント還元率が高い。
たとえば、「dカード」と「dカードGOLD」は、通常のクレジット利用分についてはどちらも1%分のポイントが付与されるが、後者はドコモの携帯電話料金やドコモ光の料金の支払い分については10%分が付与されるのだ。
「dカード」は年会費無料だが、「dカードGOLD」の年会費は1万円(税別)だ。自分・家族のスマホと光回線を契約していて、その支払いが毎月9,200円以上なら、ゴールドカードに変えることによって増えるポイントで年会費をまかなえる。その場合、ゴールドカードの特典・サービスが実質無料でついてくると考えることもできる。
このように、ポイント還元率が一般カードよりも高いゴールドカードには、使い方次第で増えた分のポイントで年会費をカバーできるものがある。気になるカードがあれば、自分の使い方で年間どのくらいポイントを獲得できるか、シミュレーションしてみるといいだろう。
人気クレジットカードの一般カード・ゴールドグレードのポイント還元率の例
【Orico Card THE POINT】
カードのグレード | 一般 | ゴールド |
---|---|---|
カード名 | Orico Card THE POINT | Orico Card THE POINT PREMIUM GOLD |
年会費 | 年会費無料 | 1,986円・税込 |
ポイント還元率 | ◆基本1% ◆オリコモール利用で2%~ |
◆基本1% ◆オリコモール利用で2.5%~ ◆電子マネー利用で1.5% ◆リボ払い利用分が1.5% |
【エポスカード】
カードのグレード | 一般 | ゴールド |
---|---|---|
カード名 | エポスカード | エポスゴールドカード |
年会費 | 年会費無料 | 5,000円・税込 ※条件を満たすと永年無料に |
ポイント還元率 | ◆基本0.5% | ◆基本0.5% ◆マルイ・モディの利用で1% ◆選択した3ショップで最大1.5% (分割払いなら2%) |
【セゾンカード】
カードのグレード | 一般 | ゴールド |
---|---|---|
カード名 | セゾンカード インターナショナル |
ゴールドカードセゾン |
年会費 | 年会費無料 | 年会費1万円・税別 (初年度年会費無料) |
ポイント還元率 | ◆基本0.5% | ◆基本0.5% ◆西武、ロフト、 無印良品などの利用で1% |
ゴールドカードのメリット2,空港ラウンジ無料利用サービスがついている
ゴールドカードには、空港ランジサービスが付帯しているのも特徴だ。冒頭で紹介したアメックスグリーンを除けば、一般カードで空港ラウンジサービスがついているものはほとんどない。
ゴールドカードに付帯する一般的な空港ラウンジサービスは、「国内主要空港(ハワイ・ホノルルの空港を含むこともある)の空港ラウンジを無料で利用できる」というもの。ラウンジでは空港待合室よりも座り心地の良いソファやPC作業用デスク、フリードリンクや電源などが提供される。
旅をより快適にしてくれるものであり、空港の利用が多い人にはメリットのあるサービスと言えるだろう。
ゴールドカードのメリット3,付帯保険の金額が高く設定されている
クレジットカードの付帯保険と言えば、旅行傷害保険(旅行時のケガや疾病等の治療費などを補償)やショッピング保険(カードで購入した商品の破損・盗難などを補償)などが挙げられるが、一般カードにはこれらの保険が付帯しないか、付帯しても補償額は低く設定されている。
一方、ほとんどのゴールドカードには旅行傷害保険が付帯しており、ショッピング保険が付帯しているものもある。特に海外旅行時は、医療費が非常に高くつくことがあるので重宝するはずだ。
人気クレジットカードの一般カード・ゴールドグレードの付帯保険の例
【dカード】
カードのグレード | 一般 | ゴールド |
---|---|---|
カード名 | dカード | dカードGOLD |
年会費 | 年会費無料 | 年会費1万円・税別 |
ポイント還元率 | ◆dカードケータイ補償 (購入後1年間最大1万円) ◆年間100万円限度のショッピング保険 |
◆旅行傷害保険 ―海外最高1億円 ―国内最高5,000万円 ◆dカードケータイ補償 (購入後3年間最大10万円) ◆年間300万円限度のショッピング保険 |
【エポスカード】
カードのグレード | 一般 | ゴールド |
---|---|---|
カード名 | エポスカード | エポスゴールドカード |
年会費 | 年会費無料 | 5,000円・税込 ※条件を満たすと永年無料に |
ポイント還元率 | ◆最高500万円の 海外旅行傷害保険 |
◆最高1,000万円の 海外旅行傷害保険 |
【セゾンインターナショナル】
カードのグレード | 一般 | ゴールド |
---|---|---|
カード名 | セゾンカードインターナショナル | ゴールドカードセゾン |
年会費 | 年会費無料 | 年会費1万円・税別 (初年度年会費無料) |
ポイント還元率 | - | ◆最高3,000万円の海外・ 国内旅行傷害保険 |
ゴールドカードのメリット4,利用限度額が高く設定されている
ゴールドカードは審査が一般カードよりも厳しい分、利用限度額は高く設定されている。通常、一般カードの利用限度枠の上限は80~100万円だ。一方ゴールドカードは、200~300万円に設定されているものも珍しくない。
たとえば利用限度額が100万円だとして、引っ越しなどで家具をまとめ買いすると、利用可能残高が一気に減ってしまう。そのタイミングで海外旅行に行くことになれば、旅先で利用限度額に達して突然カードが使えなくなるかもしれない。
これまでのクレジットカードの使い方を振り返って、利用限度額に達する可能性があるなら、利用限度額が高いゴールドカードを検討したほうがいいだろう。
実際の利用限度額は審査によって決まるので、ゴールドカードにしたからといって必ず利用限度額が上がるわけではない。しかし普段から利用金額が多く、延滞なく支払ってきた人なら、これまでよりも高い利用限度額が設定される可能性は十分ある。
ゴールドカードのメリット5,40代ビジネスパーソンにふさわしいステータス性を持つ
セゾンカードを発行するクレディセゾンが20~49歳の有職者男女500名を対象に行ったクレジットカードの意識調査では、約8割が一般カード、約2割がゴールドカードを保有していた。また、食事や買い物の会計時に他の人のカードのランクをチェックしたことがある人は8割以上だった。
「誰のカードをチェックしたか」については、男性の約半数、女性の約3割が「職場の上司・先輩」と回答し、うち3割は「カードのランクによって相手に対するイメージが変わった」と答えている。
ゴールドカードにどんな印象を持つかは、カードを使う人の年代によって違うだろう。しかし上記の調査結果を鑑みると、ある程度の年齢になったらゴールドカードを持つことを考えたほうがいいかもしれない。
【初めてのゴールドにおすすめのカードはこちら】
カード名 | dカードGOLD | 楽天ゴールド | 三井住友カード ゴールド | JCBゴールド | セゾンゴールド・アメリカン ・エキスプレス・カード |
---|---|---|---|---|---|
デザイン | |||||
年会費 | 11,000円 | 2,200円 | 11,000円 ※初年度無料 |
11,000円 ※初年度無料 |
11,000円 ※初年度無料 |
通常還元率 | 1.0% | 1.0% | 0.5% | 0.5% | 0.75% |
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4,ゴールドカードの2つのデメリット 年会費や使いすぎに注意
メリットの多いゴールドカードだが、デメリットもある。
ゴールドカードのデメリット1,年会費がかかる
空港ラウンジの無料利用や傷害保険の付帯、ポイント還元率アップなどのメリットがあるゴールドカードだが、ほとんどの場合年会費がかかる。出張や旅行などの機会が少ないと、ゴールドカード特有の特典・サービスを利用する機会が少なくなるため、年会費がムダになってしまう。
ゴールドカードのデメリット2,使いすぎてしまう可能性も
一般クレジットカードに比べて利用限度額が高いゴールドカードは、自分の返済能力を超えて使ってしまう可能性がある。ゴールドカードに申込む前に、自分は無理のない範囲で適切にカードを利用するタイプかどうかを、今一度確認しておいたほうがいいだろう。
5,ゴールドカードの選びの3つのポイント 満足できるカードを選ぶために注意すべきことは?
ゴールドカードのメリット・デメリットを踏まえた上で、カードを申し込む前にチェックしておくべき3つポイントについて触れておこう。
ポイント1,その特典・サービスは自分に必要か?
デメリットの項でも挙げたが、どんなに特典・サービスが充実していても、それを使わなければ価値はなく、支払った年会費がムダになる。たとえば、あまり旅行をしない人にとって、空港ラウンジや旅行傷害保険はメリットにはならないだろう。
ポイント2,特典・サービスの内容はニーズを十分満たすものか?
「国内主要空港で空港ラウンジを無料で利用できる」と書かれていても、カード会社によって「国内主要空港」は異なる。よって自分がよく利用する空港が含まれているかどうか、事前にチェックしておきたい。
年会費が安いゴールドカードの中には、空港ラウンジの年間利用回数に制限があるものもあるので、注意したい。
ポイント3,ゴールドカードのすべてがハイステータスとは限らない
年会費が安いゴールドカードの中には、“なんちゃってゴールド”などと揶揄されるものもある。見た目はゴールドでも実質的には一般カード並みのスペックのクレジットカードのことだ。人目を気にしてゴールドカードを持つなら、そのようなカードでは逆効果になってしまう。
人目を気にするのなら、自分が申し込もうとしているゴールドカードのステータス性について、事前に調べておくことをおすすめする。
6,ゴールドカードは「お得感」があるかどうかを判断基準に
ゴールドカードの特典・サービスは、「それを必要とする人」にとっては大きなメリットとなる。一方で実際に取得するかどうかは、その年会費がリーズナブルかどうかで決まるだろう。
同じカード会社の一般カードよりも、ゴールドカードのほうがよりポイントが貯まる仕組みになっている場合、増えた分のポイントで年会費をまかなえることもある。年会費がリーズナブルか否かについては、自分のライフスタイルや消費行動を鑑みて、冷静に判断すべきだろう。
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