ゴールドカードを作ってみたものの、サービスや特典があまり活用できず、カードの解約も検討しているという人もいるかもしれない。ここではポイント還元率アップや追加カードなど、ゴールドカードを解約する前に確認しておきたいことを紹介する。
ゴールドカードのメリットを享受できなければ解約
発行会社によって異なるが、ゴールドカードの主な特典というと、空港ラウンジの利用や旅行傷害保険の付帯、ポイントアップなどがある。しかし出張や旅行、レジャーの機会が少ないと十分にそのメリットを享受できず年会費がムダになりかねない。
また複数のクレジットカードを持っている場合も、カードの利用明細を確認しきれず不正利用に気づきにくくなるというデメリットもあるので、ゴールドカードを含め、いくつかのカードの解約を検討したい。
準備や確認なしの解約による思わぬ“落とし穴”
ゴールドカードを解約する前には準備や確認が必要で、それを行わず解約してしまうと予期しない事態が起こることがある。解約前には8つのことを注意しよう。
①ポイントアップでメリットを得てなかったか?
旅行をしなくてもポイントアップで年会費以上のメリットを得ている場合がある。
たとえば楽天ゴールドカードの年会費は2,160円(税込)だが、楽天市場の利用なら最大5%のポイント還元となるので、楽天市場をよく使っている人なら、年会費分を差し引いても、年会費無料の楽天カード(楽天市場で最大3%のポイント還元)よりも大きなポイント還元を得られる。
ほかにも対象店舗で割引特典を受けられるカードもあるため一度確認してみるといいだろう。
②年会費が安くなるサービスを利用しているか?
カード会社によってはゴールドカードの年会費が割引されるケースがある。たとえば三井住友カードには年間利用金額によって翌年度の年会費が半額や無料になったり、自動リボ払い登録で年会費が大幅に割引される。
三井住友カードの中にはAmazon Mastercardゴールドがあるが、その年会費1万800円(税込)は自動リボ払いサービス「マイ・ペイすリボ」へ登録のうえ、年1回でもカード利用があれば年会費が半額となり、さらにカード利用明細書を書面でもらわずウェブサイトでの確認にすると、1,080円(税込)の割引となる。
また特典として年会費3,900円(税込)のAmazonプライムを無料で利用できるので、その分を差し引くと年会費は実質420円。Amazonプライムを利用しているのなら解約するかどうかは考えたい。
③毎月の公共料金等の支払いに使っていないか?
解約前にはカードで毎月支払っている料金等(電気、ガス、水道、携帯電話、プロバイダ、家賃、新聞、学校や保育園、ジムなど)の有無をチェックしよう。
支払いがある場合には別のクレジットカードや銀行口座からの支払いに変更する必要がある。それをしないまま解約してしまうと、決済が行えず支払い延滞の扱いとなることがある。
④ポイントは貯まっていないか?
カードを解約するとせっかく貯めたポイントもなくなる。解約前にポイント残額を確認し、ポイントがあれば他社ポイントに交換するなどしてなるべく使い切りたい。
⑤残債はないか?
解約により、残債(カード発行会社への支払いが済んでいないお金)の一括入金を求められることがある。その場合、リボ払い、分割払い、ボーナス払いの利用分も一括で支払うことになり、場合によっては大きな金額負担となる。
それを避けたいのであれば残債を支払い終わってから解約するしかない。残債処理の方法はカード会社によって異なるので、カード会社のカスタマーサポートへ問い合わせて確認しよう。
⑥利用している追加カードはないか?
カードに連動した家族カードやETCカード、電子マネーのiDやQUICKPayなどは、解約と同時に利用停止になるため注意が必要だ。また銀行キャッシュカードとの一体型カードを不用意に解約してしまうと、預金引き出しに支障が生じることがある。
⑦年会費はいつ引き落とされたか?
すでに引き落とされた年会費は戻ってこないため、急いで解約しなければならない特別な理由がないのなら、次の年会費が引き落とされる少し前に解約するといいだろう。解約まではカードの特典やサービスを利用できるからだ。
⑧カード加入後半年以内の解約ではないか?
カード取得後、半年以内に解約してしまうと、入会特典のみを目的とした入会だと判断されることがある。特に入会だけしてカード利用がほとんどないと、そう判断されやすい。ほかの会社で新たなカードを作るときにも審査が通りにくくなる。
初年度年会費無料のゴールドカードの場合は、その初年度は“お試し期間”の意味があるため、年会費が発生する次年度が来る前に解約したからといって、それ以降の審査でマイナスになることはない。
【初めてのゴールドにおすすめのカードはこちら】
カード名 | dカードGOLD | 楽天ゴールド | 三井住友カード ゴールド | JCBゴールド | セゾンゴールド・アメリカン ・エキスプレス・カード |
---|---|---|---|---|---|
デザイン | |||||
年会費 | 11,000円 | 2,200円 | 11,000円 ※初年度無料 |
11,000円 ※初年度無料 |
11,000円 ※初年度無料 |
通常還元率 | 1.0% | 1.0% | 0.5% | 0.5% | 0.75% |
詳細はこちら (公式サイトへ) |
詳細はこちら (公式サイトへ) |
詳細はこちら (公式サイトへ) |
詳細はこちら (公式サイトへ) |
詳細はこちら (公式サイトへ) |
解約は簡単だが8つのチェックはしておきたい
解約する場合は理由を聞かれることもあるが、これは引き止めではなく単なるアンケートのようなもの。解約手続きは短時間で終わり、カードは即座に利用停止となる。
解約後のカードは廃棄したほうがいいだろう。その際、磁気ストライプの部分とICカードの部分をハサミなどで裁断し、カード番号、名前、署名部分も判別できないようし、数回に分けて別々にゴミ出しすると安全だ。
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
【関連記事】
・40代で持ちたいクレカはゴールドより「プラチナカード」? その魅力、代表的なカード比較
・経営者・エグゼクティブ向けクレカ「ダイナースクラブ」を持つためには?
・ゴールドカードのメリットや作り方 年会費無料のクレジットカードも紹介
・陸マイラーがトクするクレカ3選 還元率3%も?
・ポイント還元率の高いクレジットカード11選 買い物、マイル、通信など生活をおトクに