クレジットカードが利用停止になった時のことを考えたことがあるだろうか?ここではどんなときに利用停止になり、どう対処すべきか、またどうすれば利用停止を防げるか、といった点をチェックしていこう。
クレジットカードが利用停止されると……
クレジットカードが利用停止状態になると、思いのほか面倒だ。たとえば、財布に入れておく現金の額に気を配る必要が出てくるほか、ネットショッピングは不便になり、ETCは通過できず、電子マネーのチャージも現金を用いることになる。
一時的な利用停止ならまだいいが、強制退会ということになると、その後新たにクレジットカードを作ることが非常に難しくなる。キャッシュレス決済に慣れた人にとっては、このうえなく不便に感じられるだろう。
利用停止になる主な7つの原因
では、どういう場合に利用停止になるのだろうか? 考えられるいくつかの理由について順に説明していこう。
①いつもと違う使い方で「カード不正使用検知システム」が作動した
利用停止になる心当たりがまったくない場合、「カード不正使用検知システム」が作動した可能性がある。これはカード会社が導入しているセキュリティ機能の1つで、カードがいつもと違うように利用された場合に第三者による不正使用を疑い、一時的に利用停止して会員を守るというものだ。
「いつもと違うように利用された」の一例としては、同じ店舗で短時間に複数回のクレジット利用があったり、同じ金額が連続して支払われていたり、いつもは比較的少額の支払いなのに急に高額の支払いがあったり……といったことだ。もしくは、いつもは国内のみの利用なのに、海外での支払いがあった場合も利用停止になることがある。
そのような理由で利用停止になった場合、カード会社から利用内容に心当たりがあるかどうかの問い合わせがあるので、その時に利用停止を解除してもらえばよい。あるいは、自分から問い合わせてもいいだろう。
②実際に不正使用されてしまった
実際に第三者に不正使用され、「カード不正使用検知システム」が作動した結果、カードが利用停止になることも当然ありうる。レアケースとはいえ可能性はゼロではないので、利用停止になっていることに気づいたら、即座にカード会社に連絡するべきだ。
③利用限度額を超えてしまった
当然のことだが利用限度額を超えてしまうと、それ以上カードを使うことはできない。カード会社によっては、海外旅行や結婚費用など一時的な出費の増加に応じて利用限度額を一時的に引き上げてくれるサービスがあるので、そういう状況があれば申し込んでみてもいいだろう。
④カード利用代金の引落ができなかった
カード利用代金の引落専用口座を設けているような人は、そこへの入金をうっかり忘れてしまい、引落日に引落がされないことがある。その場合もカードは利用停止となるので、入金忘れにはくれぐれも注意したい。場合によっては、利用停止だけでなく強制退会もありうるからだ。
⑤カードの使い方に問題がある
カードの使い方によっては、カード会社から支払い能力について疑念を抱かれて利用停止されたり強制退会となったりすることがある。クレジットカードは信用にもとづいて発行されるものなので、信用されないような使い方をしていれば、そうなるのも当然だ。
カード会社によって「信用されないような使い方」の基準は異なるが、たとえば次のような使い方がそれにあたると思われる。
・毎月のようにまとまった金額のキャッシングを重ねている
毎月キャッシングしていると、生活費をそれで補っていることを疑われたり、キャッシングしたお金をカード利用代金の返済に回していると疑われたりして、信用を損ねる可能性がある。
・他社の債務(クレジット/キャッシング/カードローン)が多い
他社クレジットカードでのクレジット債務やキャッシング債務、カードローンでのローン債務が多いと、カードの使い方に問題があると見なされることがある。他社での利用分についても信用情報機関で情報共有されており、更新時や利用限度額の増額を申請したタイミングでチェックされるほか、途上与信といって定期的に他社利用状況も含めてチェックを入れるカード会社もある。
債務が多いと判断される金額はカード会社により異なるが、貸金業法の総量規制という決まりにより、クレジットカード会社や消費者金融会社は税込年収(個人事業主は事業収入から経費を差し引いた金額)の3分の1を超えて貸付ができないため、債務がそれを超えそうになると利用停止になってしまうと考えていい。
クレジットカードのショッピング利用分、銀行カードローンや住宅ローン、自動車ローン、不動産担保貸付けなどは総量規制の対象外となるが、それらの金額によっては債務が多いと判断される可能性もある。そのようにカード会社から判断されている状況で、たとえばキャッシング枠の増額を希望したなら、支払い能力について疑念を抱かれる可能性が高い。
⑥不自然な増額希望をした
⑤で説明したような利用状況にあるときに、カード会社へショッピング枠やキャッシング枠の増額申請をしたタイミングで利用停止、強制退会となるケースは少なくない。
また、普段は「信用されないような使い方」をしていなくても、不自然な増額希望が信用を損ねることがある。たとえば、普段は毎月10万円程度のクレジット支払いしかしていないのに大幅な増額を希望したり、普段はキャッシングをほとんど使っていないのにキャッシング枠の増額を希望したりといったケースだ。
いずれも、カード会社が「なぜ、急にお金が必要なのか?」と疑念を持つ可能性があるので、そのような増額希望には注意したい。海外旅行や結婚費用のために増額が必要なら、先にも触れた一時的な増額を希望すべきだろう。
また、もともと利用限度額が低い人は信用が低いということなので、増額希望を出すだけで信用を損なってしまい利用停止、強制退会となることがある。どうしても増額してほしいのなら、クレジット支払いを適度に行い、延滞せずきちんと返済していくことで信用を積み、カード会社のほうから増額の申し出が来るのを待つしかない。
なお、利用停止とは違う話だが、クレジットカードをまったく使っていない場合、カードが更新されず、そのまま退会となってしまうケースもある。
⑦「クレジットカードの現金化」などの規約違反があった
規約違反にあたる行いをしたために利用停止、強制退会となるケースもある。会員側の規約違反として特に問題になっているのが、クレジットカードの現金化だ。
これは、換金性の高い商品をクレジットで購入した後、商品を現金化するというもの。すでにキャッシング枠いっぱいまで借入している場合でも現金を手にできることから、クレジットカードの現金化を専門とする業者までいる。
最近では、ネットオークションで現金そのものを出品し、クレジット支払いでそれを購入させるという手法が問題となったが、もちろんそのような出品は違法の可能性があり、現金を「購入」した側はクレジットカードの利用停止、強制退会となる。
信用情報に傷をつけない使い方を
いずれのケースでもカードが強制退会となると信用情報に傷がつき、それ以降そのカード会社はもちろん、他社であっても新たなクレジットカードを作りにくくなる。
そのような状況を避けるためにも、ここに挙げた③~⑦については特に心しておきたい。きちんとした使い方さえ心掛けていれば信用を損ねることはなく、クレジットカードを使い続けられるだろう。
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執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
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