JCSI(日本版顧客満足度指数)調査のクレジットカード部門で10年連続第1位を達成した楽天カード。その高評価を生んだ同カードの魅力・メリットとは何か、特にどういう人にメリットがあるのか、デメリットはあるのか……という点をチェックしてみよう。
楽天カードは日本を代表する人気クレジットカード
楽天カードは2017年の年間カードショッピング取扱高が6兆円に達し、会員数は2018年1月時点で1,500万人に達した。さらに、日本生産性本部サービス産業生産性協議会発表の「JCSI調査」のクレジットカード部門では、10年連続で第1位となっている。いまや楽天カードは日本を代表する人気クレジットカードといって間違いないだろう。
楽天カードの最大のメリットはポイントの貯まりやすさだ。貯まるポイントは楽天グループで使える「楽天スーパーポイント」で、クレジット支払い100円につき1ポイント(1円相当)が貯まる。つまり、ポイント還元率は1%だ。
これだけでも十分に高還元カードの部類に入るが、楽天市場など楽天グループのサービス利用で大きくポイントアップされ、たとえば、楽天市場で使うと3倍のポイントアップとなり3%に、楽天トラベルの利用では2%となる。また、街ナカの楽天ポイント加盟店では最大3%に。なお、楽天カードには楽天ポイントカードとしての機能もあるため、楽天ポイント加盟店で提示すると現金払いでもポイントが貯まる。
クレジットカードのポイントというとなかなか貯まらない印象もあるが、楽天カードでは、特に楽天市場での利用でみるみるうちにポイントが貯まることになるだろう。
各種ポイントアップとの合わせ技で最大43%還元に
さらに、楽天スーパーポイントにはSPU(スーパーポイントアッププログラム)という仕組みもあり、楽天グループのサービス利用で最大15%までポイントアップされる。
先に触れたように楽天市場で楽天カードを使って支払いをすると還元率3%になるほか、上位カードの楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカードでの支払いならさらに+2%になる。加えて、楽天市場での購入時楽天市場アプリの利用で+1%、楽天モバイルの通話SIM利用、楽天ブックスでの月合計2,000円以上の購入、楽天ブランドアベニューでの月1回以上の買い物……などの条件クリアにより、楽天市場での購入分のポイントがそれぞれ+1%となる。
それらの合計で最大15%ということだが、さらに、楽天イーグルス、ヴィッセル神戸、FCバルセロナが勝利した翌日には+3%で最大18倍に、お買い物マラソンスーパーセールなら最大で+28%となり最大43%に、5の倍数の日は楽天カード決済で+2%となり最大17%になる。このようなポイントの大盤振る舞いこそが、消費者にとって楽天の最大の魅力であることは言うまでもない。
ポイント還元率をMAXまで上げる条件をすべて満たさずとも、たとえば、「楽天カード+楽天市場アプリ+5の倍数の日のお買い物」という組み合わせだけでも、楽天市場でのお買い物で6%ものポイント高還元の恩恵を受けられるというのは大きなメリットだ。
楽天会員であれば楽天カード抜きでもSPUの各種ポイントアップを受けられるが、楽天市場を使うなら、楽天カードで支払って受け取れるポイントはしっかり貯めたほうがおトクとなる。
電子マネー・楽天Edyへのチャージ&利用で合計1%還元
電子マネーの楽天Edyについても触れておこう。楽天カードには楽天Edy機能の追加が可能で、その場合、楽天カードはクレジットカードのほか、楽天ポイントカード、楽天Edyカードの3つの機能を有することになる。なお、楽天ポイントカードの番号とバーコード、楽天Edyの番号はカードの裏面に印刷されている。
楽天カードから楽天Edyへのチャージには200円ごとに1ポイントが、楽天Edyの利用では200円(税込)ごとに1ポイントが貯まるので合計で1%の還元率となるが、実はこれについてはそこまでおトクというわけではない。
たとえば、ほかの還元率1%のクレジットカードで楽天Edyにチャージすると、そのチャージ分のポイント1%分に楽天Edy利用分の0.5%分がプラスされて合計で1.5%となるからだ。
とはいえ、クレジットカードでほかのカードでチャージするとそのカードのポイントが貯まりポイントが分散してしまうので、特に手続きすることなく楽天スーパーポイントにまとまるという点で、楽天カードから楽天Edyへのチャージという組み合わせにメリットがあることには違いない。
多種多様な他社ポイントが楽天スーパーポイントにまとまる
さて、貯めたポイントは楽天市場など楽天グループの各サービスや楽天ポイント加盟店で1ポイント→1円相当として支払いに使えるほか、楽天EdyやANAマイルとの間で相互交換できたりする。
また、楽天スーパーポイントに交換できる他社ポイントが数多くあるというのも特筆すべき点だ。楽天スーパーポイントに交換できるポイントは、Oricoのオリコポイント、JCBのOki Dokiポイント、JACCSのラブリィポイント、三井住友カードのVポイント、アメリカン・エキスプレスのメンバーシップ・リワード、ダイナースクラブのリワードポイントほか多数。
さまざまなポイントサービスで中途半端に貯まっていて、使い道がないまま失効を待つばかりとなっているポイントも、ポイント交換により楽天スーパーポイントにまとめれば、楽天市場や楽天Edyなどで使えることになる。
次に代表的な3種のカードを紹介しよう。
年会費無料で最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯する「楽天カード」
カード発行会社自体が「楽天カード」なのでややこしいが、ここで紹介する楽天カードは、会社としての楽天カードが発行する一般カードということになる。楽天カードは年会費無料で作れ、国際ブランドはVisa、MasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレスの4つから選べる。
年会費無料カードというのは特に珍しくはないが、4つの国際ブランドから選べるというのは、他社カードではあまり見受けられない。国際ブランドはそれぞれに特徴があるのでニーズに合わせて選びたい。
そして先にも触れたが、ポイントの貯まり方は通常のクレジット支払いで1%、楽天市場で3%、楽天トラベルで2%、街ナカの楽天ポイント加盟店で最大3%となる。
これだけでも十分おトクだが、特典として最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯するほか、海外レンタカー10%オフ、海外携帯・Wifiルーターレンタル20%オフ、手荷物宅配優待サービス、ハワイ・ワイキキの楽天カード会員専用ラウンジなど海外旅行に便利でおトクなサービスも付帯しており、年会費無料の一般カードとしては十分すぎるほどのスペックとなっている。
低額の年会費で空港ラウンジが利用できる「楽天ゴールドカード」
楽天カードの上位カードにあたる楽天ゴールドカードは年会費2,160円(税込)と、ゴールドとしては破格の低額年会費で作ることができ、国際ブランドはVisa、MasterCard、JCBの3つから選べる。
ポイントの貯まり方は通常のクレジット支払いで1%、楽天トラベルで2%、街ナカの楽天ポイント加盟店で最大3%と、ここまでは一般カードと同じだが、楽天市場では5%となる。
海外旅行傷害保険については最高2,000万円となり、一般カードと同じ内容だが、世界38拠点の現地トラベルデスクを利用できるほか、国内主要空港のラウンジとハワイ・ホノルルと韓国・仁川の空港ラウンジを年間2回まで無料で利用できる。
1万円超の年会費も安く感じる特典満載の「楽天プレミアムカード」
楽天ゴールドカードのさらに上位に君臨するのが、国際ブランドをVisa、MasterCard、JCB、アメリカン・エキスプレスの4つから選べる楽天プレミアムカードだ。年会費は1万800円(税込)とさすがに高額になってくるが、それ以上のおトクがあるのでそれを考えるとこれは決して高くはない。
たとえば、楽天プレミアムカード会員は、世界120ヵ国400以上の都市や地域で、900ヵ所以上の空港ラウンジを無料利用できる会員制サービス「プライオリティ・パス(プレステージ会員)」に無料入会できる。この会員資格には通常年会費として429米ドル(約4万7,000円・2019年2月4日現在のレート)が必要なので、これだけですでに十分年会費の元を取れていることになる。
そのほか、楽天ゴールドカードで年2回までの制限があった国内主要空港・海外2空港のラウンジは回数無制限で無料利用可能に、海外旅行傷害保険は最高5,000万円と補償金額がより充実するほか、最高5,000万円の国内旅行傷害保険や最高300万円のショッピング保険(動産総合保険)も付帯する。
ポイントの貯まり方は、楽天市場で5%になるなど基本は楽天ゴールドカードと同じだが、利用スタイルによって3つのポイント優待サービスから1つを選ぶことができ、そのうち「楽天市場コース」ではポイント還元率が6%となる。ポイント優待サービスには「トラベルコース」「エンタメコース」もあり、それぞれ、トラベル関係やエンタメ関係の楽天グループのサービスでポイントがよりおトクに貯まる仕組みとなっている。
そのほか、国内宿泊予約を24時間受け付けている専用デスクや、空港からの手荷物無料宅配、会員誕生月の1%ポイントアップなど、楽天市場をよく利用し、旅行の回数の多い人であれば、1万円超の年会費が安く感じるほどのおトクなサービス・特典満載の1枚となっている。
期間限定ポイントの失効に注意
以上見てきたように、楽天カードは一般カードから上位のゴールドカード、プレミアムカードに至るまで、年会費とサービス・特典内容を比べたときに非常にリーズナブルなカードだといえる。JCSI(日本版顧客満足度指数)調査のクレジットカード部門で10年連続第1位となったのも納得のいくところだ。
そのうえであえてデメリットを挙げるとすれば、たくさんの広告メールが届くようになることや、一般カードではETCカードの年会費が有料(540円・税込)になること、また、紙の利用明細書の発行が有料(82円・税込)であることなど。
ただし、このうち広告メールについては楽天カードのオンラインサービスe-NAVIで設定変更することで減らしたり、メールソフトの設定で目につかないようにしたりして対策可能であり、紙の明細書についても、やはりe-NAVIで明細を確認すれば多くの場合、事足りる。
なお、各種ポイントアップやキャンペーン等で得たポイントは、ほとんどの場合、有効期限の短い期間限定ポイントであり、このポイントは提携サービスへのポイント交換ができないので、楽天市場など楽天グループをたまにしか利用していない人はうっかり使い忘れて失効してしまうことがある。これは人によってはデメリットといえなくもない。
とはいえ、楽天カードは普通に使っている分にはメリットこそあれ、デメリットはほとんどない優良なカードだといっていいだろう。
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
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