「JRE CARD」は、JR東日本の共通ポイント「JRE POINT」が貯まるカードだ。還元率が最大3.5%にもなるお得なカードだが、同じポイントが貯まる「ビュー・スイカカード」とはどう違うのだろうか?実は即日発行もできるこのクレジットカードの特徴を徹底解説していく。
目次
1,「JRE CARD」の3つのポイント
2,「JRE CARD」の基本スペックと審査基準
3,「JRE CARD」のポイントサービス、還元率
4,「JRE CARD」の5つのメリット
5,「ビュー・スイカカード」との違い・比較
6,「JRE CARD」の3つのデメリット
7,「JRE CARD」はどんな人におすすめ?
1,「JRE CARD」の3つのポイント
ビューカードが発行する「JRE CARD」のポイントは、以下の3つだ。
- 駅ビルなどの利用でポイント還元率3.5%と超高還元率に
- Suicaオートチャージ分も1.5%のポイント還元の対象
Suicaへのチャージ→Suica支払いでポイント2重取りができる
還元率がアップする条件や優待の内容も含めて、「JRE CARD」の詳細を紹介していこう。
2,「JRE CARD」の基本スペックと審査基準
まず押さえておきたいのが、「JRE CARD」の基本スペックと審査基準だ。
「JRE CARD」の基本スペック――Suica機能・定期券機能も付けられる
国際ブランド | VISA/Mastercard/JCB |
年会費 | 524円(税込)※初年度無料 |
ポイントサービス | JRE POINT |
通常ポイント還元率 | 0.5% |
ポイント交換対象 | びゅう商品券 美味しいお米カード 駅レンタカー利用券 など |
空港ラウンジサービス | なし |
付帯保険 | 海外旅行傷害保険(自動付帯) 国内旅行傷害保険(利用付帯) |
追加カード | ETCカード |
「JRE CARD」には、
①Suica機能付きのもの
②Suica機能と定期券機能付きのもの
③Suica機能も定期券機能も付いていないもの
がある。いずれもそれ以外のカードスペックは同じだが、国際ブランドについては、①はVISA、Mastercard、JCBの3つから、②と③はVISAのみ、選ぶことができる。
「JRE CARD」の審査基準 ――年収は300万円以上が目安?
審査基準そのものではないが、「JRE CARD」の公式サイトには入会条件として「日本国内にお住まいで、電話連絡のとれる満18歳以上の方」と書かれている。収入の有無については書かれていないため、専業主婦や大学生などでも世帯収入があれば、審査に通る可能性があると考えられる。
ただし、年会費の手頃なクレジットカードとしては審査が比較的厳しく、ネットの口コミ情報では300万円以上の年収がないと審査に通りにくいと言われている。
「JRE CARD」の年会費を下げる方法――スポーツジム併用で無料に
初年度は年会費が無料となるほか、「ジェクサー・フィットネスクラブ」などの月会費を年間(カード記載の有効期限月の翌月から12ヵ月間)1回以上カードで支払うと、次年度の年会費が無料になる。
3,「JRE CARD」のポイントサービス・還元率 Suicaオートチャージ分もポイント還元の対象
「JRE CARD」は人気の理由の1つに、還元率を含めたポイントサービスのお得さが挙げられる。どんなポイントサービスなのだろうか。
貯まるポイントと還元率――通常0.5%で有効期限は実質無制限
貯まるポイントは「JRE POINT」で、クレジット支払い1,000円(税込)につき5ポイント(約5円相当)が貯まる。通常のポイント還元率は、約5%と考えていいだろう。
ポイントの有効期限は、最後に使ったり貯めたりした日から2年後の月末まで自動的に延長されるため、カードを普通に使っていれば、「事実上有効期限なし」ということになる。
ポイントの交換対象――1ポイント→1円でSuicaにチャージできる
「JRE POINT」は1ポイント→1円としてSuicaにチャージしたり、駅ビルなどのJRE POINT加盟店やショッピングサイト「JRE MALL」の支払いに充てたりできる。また、JR東日本グループの商品券やクーポンなどにも交換できる。
交換対象 | 交換対象の単位 | 必要ポイント数 |
Suicaグリーン券 | 1枚 | 600P |
VIEWカード・グリーン車利用券 (新幹線・特急列車用) |
1枚 | 2,000P |
ルミネ商品券 | 4,000円分 | 3,600P |
びゅう商品券 | 1,000円分 | 1,420P |
駅レンタカー | 3,000円利用券 | 2,550P |
東京ステーションホテル利用券 | 5,000円相当 | 4,700P |
ホテルニューグランド利用券 | 3,000円相当 | 2,550P |
メトロポリタンホテルズ共通利用券 | 2,000円相当 | 1,750P |
エアポートバス東京・成田利用券 | 2枚セット | 2,050P |
ジェクサー1日利用券 | 3,000円相当 | 2,100P |
美味しいお米カード | 550円相当 | 750P |
ハーゲンダッツギフト券 | 2個分 | 850P |
ベックスコーヒーショップ ドリンク回数券 |
1つづり | 1,150P |
鉄道博物館入館引換券 | 1枚 | 1,330P |
東北応援うめぇどカード | 5,000円相当 | 4,750P |
お取り寄せグルメカード | 5,250円相当 | 5,000P |
ポイントアップの方法は10種類――ビューカードにはない加盟店・優待店のサービスも
「JRE CARD」には、以下のポイントアップサービスが用意されている。
・サービス1,JRE CARD加盟店で1.5%、JRE CARD優待店で3.5%に
JRE CARD加盟店でのクレジット払いで還元率が1.5%に、JRE CARD優待店では3.5%にポイントアップされるというのが「JRE CARD」の最大の特徴だ。これはビューカードにはない、このカード独自の仕組みだ。
JRE CARD優待店は、JR東日本管内の駅ビルのアトレ、アトレヴィ、ペリエ、nonowa、ビーンズ、ラスカ、VAL、エスパル、MIDORI、CoCoLo、ピボットなど。また、このカード独自のボーナスポイントとして、対象店舗(アトレ・アトレヴィ各店、プレイアトレ土浦)での年間クレジット支払額が5万円(税込)以上になると、500ポイントがプレゼントされる。ただし、このポイントは有効期限が固定された期間限定ポイントだ。
そのほか、ビューカードが発行するカードに共通する、以下のポイントアップサービスも適用される。
・サービス2,JR東日本の利用分がポイント3倍
Suicaへのオートチャージや定期券購入など、JR東日本の利用でポイントが3倍(税込1,000円につき15ポイント付与、ポイント還元率1.5%)になる。対象商品は以下のとおり。
ポイント3倍対象商品
乗車券、定期券、回数券、特急券、特別企画乗車券 ※JR東日本「みどりの窓口」「びゅうプラザ」「券売機」で購入した場合のみ対象 |
びゅうトラベルの旅行商品(一部対象外商品あり) |
Suica定期券、Suicaカード |
カードでのSuica入金(チャージ・オートチャージ) |
モバイルSuica、またはSuicaアプリケーション |
・サービス3,Suica利用ポイントアップ
「Suica登録して貯まる」というステッカーの店舗でSuica支払いを行うと、100円(税込)または200円(税込)につき1ポイントが付与される。
「JRE CARD」でSuicaにチャージし、そのSuicaで支払うとポイントを2重取りでき、最大で2.5%のポイント還元率(Suicaへのチャージで1.5%還元+Suica利用ポイントで最大1%還元)となる。
対象店舗はJR東日本の駅ナカにある店舗・自販機のほか、イトーヨーカドー、デニーズ、紀伊國屋書店、ホテルニューグランド、ANA国内線の機内販売、駐車場のタイムズ、ヤマト運輸などだ。
・サービス4,Suica乗車ポイントを還元
JR東日本の在来線にSuicaで乗車した場合、
- モバイルSuicaで50円ごとに1ポイント(ポイント還元率2%)
カードタイプのSuicaで200円ごとに1ポイント(ポイント還元率0.5%)
が付与される。Suicaチャージ時のポイント(ポイント還元率1.5%)と合わせると、前者は3.5%、後者は2%の超高還元率となる。
・サービス5,JRE POINT加盟店での提示で100円につき1ポイント
駅構内や駅ビル内にある「JRE POINT加盟店」でカードを提示すると、100円(税別)につき1ポイントが付与され、クレジット払いの場合は合計で1.5%のポイント還元率となる。
・サービス6,特約店でポイント2倍
ENEOSサービスステーション、ENEOSでんき、ENEOS都市ガス、東日本エリアの駅レンタカーは特約店となっており、クレジット払い分はポイントが2倍(1,000円につき10ポイント付与)になる。
・サービス7,Web明細申し込みで毎月50ポイント
スマホ・パソコンで明細を確認する「Web明細ポイントサービス」に申し込むと、毎月50ポイントが付与される。年間で最大600ポイントだ。
・サービス8,「VIEW ショッピング ステーション」経由でポイントアップ
ポイントサイト「VIEW ショッピング ステーション」を経由したオンラインショッピングでは、最大37倍のポイントが付与される。登録ショップは楽天市場、Yahoo!ショッピング、ディノスオンラインショップ、びゅう国内ツアー、じゃらん、JTB、一休.comなど。普段利用するネットショップでも、ここを経由することで大幅なポイントアップが狙える。
・サービス9,ネットショッピングモール「JRE MALL」
ネットショッピングモール「JRE MALL」では、通常はショッピング100円(税別)につき1ポイントが付与されるが、このカードで決済すると3倍の3ポイントが付与される。
・サービス10,「えきねっとポイント」をJREポイントに交換できる
オンラインで全国の新幹線・JR特急列車指定席の申し込みや、JR東日本国内ツアー商品の購入などができるサービス「えきねっと」。そこで付与される「えきねっとポイント」は、「JRE POINT」に交換できる。単位・レートは、「えきねっとポイント」2ポイント→「JRE POINT」5ポイントだ。
付与される「えきねっとポイント」は、10ポイント~最大60ポイント。たとえば、JR東日本・JR北海道エリアで「新幹線eチケット指定券席」を申し込んだ上でIC乗車すると、60ポイントが付与される。
通常の還元率は0.5%だが、10種類ものポイント還元率アップの仕組みが用意されているので、JR東日本利用者であれば2.5%や3.5%といった超高還元クレジットカードとして利用できるだろう。
4,「JRE CARD」の4つのメリット Suicaオートチャージ、JR優待、自動付帯の旅行保険
ここまで、「JRE CARD」のポイント還元率をアップする仕組みを解説してきた。使い方によってはかなりお得なクレジットカードだが、ポイント還元率以外のメリットもある。
メリット1,Suicaオートチャージができる
Suicaオートチャージとは、Suicaで改札を通過するときにチャージ残高が一定金額を下回っていた場合、事前に設定した額が自動的にクレジットカード決済でチャージされる仕組みのこと。オートチャージされる改札には、首都圏や仙台・新潟エリアのSuica対応エリアだけでなく、首都圏の私鉄・地下鉄のPASMOエリアのものも含まれる。
オートチャージができるのはビューカード発行のカードに限られ(法人カードを除く)、「JRE CARD」もそれに含まれる。普段の電車移動の際のストレスを軽減してくれるはずだ。
メリット2,JR東日本グループを中心に各種優待が提供される
「JRE CARD」ではビューカード共通のサービスとして、JR東日本グループのホテル・レンタカー・レジャー施設・バスなどで各種優待も提供される。その一部を紹介しよう。
店舗名・優待名 | 優待内容 |
JRホテルグループ各ホテル | 宿泊10%オフ |
東急ホテルズ各ホテル | |
ブリーズベイホテルグループ | |
JR東日本ホテルズ各ホテル | 年間利用額10万円(税込)ごとに 5,000円分のホテル利用券をプレゼント 宿泊最大20%オフ 直営レストラン・バーで最大10%オフ レイトチェックアウト無料(12時まで) |
ホテルメトロポリタン ウエディング |
チャペル挙式費用(通常35万円)が半額 入刀用ウェディングケーキプレゼント |
目黒雅叙園 | 園内4店舗のレストランで平日15%オフ・ 土日祝10%オフ |
駅レンタカー | 料金10%オフ |
ジェイアールバス関東 | 東京駅~名古屋駅間の夜行バス 当日片道10%オフ |
ジェクサー・フィットネスクラブ | 入会金・利用開始月会費・翌月会費が無料 |
GALA湯沢スキー場 | 場内1日リフト券20%オフ 場内2日リフト券10%オフ 場内ショッピング10%オフ |
アート引越センター | 引越基本料金20%オフ ダンボール最大50枚サービス |
カラオケ ビックエコー | ルーム料金30%オフ、 または飲み放題プラン10%オフ |
JOYSOUND直営店 | ルーム料金30%オフ、 フリータイム・パーティーコース・ ドリンクバー込み料金は10%オフ |
ビューカード優待 ステッカーのある DKダイニング店舗 |
10%オフ(ランチは50円引き) |
メリット3,海外最高500万円・国内最高1,000万円の旅行傷害保険が付帯
「JRE CARD」には、海外最高500万円、国内最高1,000万円の旅行傷害保険が付帯する。国内は旅行代金のカード決済が条件となる「利用付帯」だが、海外はカード決済の有無にかかわらず保険が付帯する「自動付帯」だ。
海外旅行傷害保険の補償金額には物足りない印象があるが、他のクレジットカードに自動付帯する海外旅行傷害保険の補償金額に、このカードの補償額を上乗せすれば事足りるだろう。
補償内容の詳細は、以下のとおりだ。
海外旅行傷害保険(自動付帯)
保険項目 | 補償金額 |
傷害死亡 | 500万円 |
傷害後遺障害 | 程度により20万~500万円 |
傷害治療費用 | 1傷害50万円限度 |
疾病治療費用 | 1疾病50万円限度 |
国内旅行傷害保険(利用付帯)
保険項目 | 補償金額 |
傷害死亡 | 1,000万円 |
傷害後遺障害 | 程度により40万~1,000万円 |
傷害入院(※) | 日額3,000円 |
傷害手術(※) | 入院日額×10倍(入院中の手術)、 または入院日額×5倍(入院中以外の手術) |
傷害通院(※) | 日額2,000円 |
メリット4,いざという時の補償がSuicaチャージ分にも適用される
カードの紛失・盗難にともなう不正利用分については、基本的に補償される。これはどのクレジットカードにもある補償だが、「JRE CARD」ではカードのSuicaチャージ残額も補償対象となる。定期券付きのカードを選択した場合は、定期券部分についても補償される。
メリット5,最短で即日発行されるので気軽に作れる
対応店舗は少ないが、「JRE CARD」は最短で即日発行される。本人確認書類と金融機関のキャッシュカードを持参して店頭で申し込むと、約30分の審査の後、Suica機能なしの仮カードが発行される。Suica機能付きの本カードは、約2週間後に発送される。
「JRE CARD」の種類 | 即日発行可能店舗 |
Suica定期券付き | アトレ恵比寿 |
Suica付き | エクセル(水戸) エスパル(仙台・福島・郡山・山形) |
Suica・定期券なし | フェザン(盛岡) ペリエ(千葉・稲毛) |
上記のように、カードの種類によって申し込み可能店舗が異なる。
5,「ビュー・スイカカード」との違いは?駅ビル利用は「JRE CARD」の方がお得
JR東日本の利用では、「ビュー・スイカカード」もお得なクレジットカードとして人気だ「JRE CARD」は、ビューカードが発行する「ビュー・スイカカード」と何が違うのだろうか。
JRE CARD | ビュー・スイカカード | |
年会費 | 524円(税込) ※初年度年会費無料 |
524円(税込) |
家族会員 | - | 524円(税込) |
駅ビル等での利用 ポイント還元率 |
最大3.5%還元 | 最大1.5%還元 |
ボーナスポイント | アトレ年間利用額に 応じて最大500P |
カード年間利用額に 応じて合計最大5,250P |
海外旅行傷害保険 | 最高500万円 (賠償責任・ 携行品損害・ 救援者費用の付帯なし) |
最高500万円 (賠償責任・ 携行品損害・ 救援者費用の付帯なし) |
国内旅行傷害保険 | 最高1,000万円 | 最高1,000万円 |
年会費、通常のポイント還元率、優待サービス、付帯保険などはほとんど同じだが、駅ビルなどでの利用では「JRE CARD」のほうがお得になるケースが多い。また、年会費が初年度無料であることも「ビュー・スイカカード」にはないメリットだ。
一方、「ビュー・スイカカード」では年間のカード利用額に応じて最大で5,250ポイントが付与されるのに対し、「JRE CARD」ではアトレなどでの年間利用金額に応じて最大500ポイントが付与される点が大きな違いだ。つまりカードの年間利用額が多い場合は、「ビュー・スイカカード」のほうがより多くのボーナスポイントを得られることになる。
また「ビュー・スイカカード」は家族カードがあるが、「JRE CARD」にはないことも相違点の1つだ。
6,「JRE CARD」の3つのデメリット
「JRE CARD」のデメリットを挙げるとすれば、以下の3点になるだろう。
デメリット1,利用可能枠の上限が高くない
利用可能枠は10万~80万円で、上限が比較的低く設定されている。しかも、新幹線や特急列車の回数券、Suicaへのチャージなどについては、その中でさらに制限された利用枠が設けられている。
新幹線などを頻繁に利用する人にとっては、不便に感じることもあるだろう。また、これから新しく発行されるカードには、キャッシング機能が付いていないことにも注意したい
デメリット2,家族カードがない
前述のとおり、「JRE CARD」には家族カードがない。そのため、このカードを家族も使いたい場合は、個別に取得する必要があり、手間がかかってしまう。
デメリット3,ETCカードは有料
ETCカードの年会費は、「JRE CARD」の年会費と同じ524円(税込)だ。クレジットカードの年会費とETCカードの年会費がどちらも無料という他社カードがあることを考えると、これはデメリットと言っていいだろう。
7,「JRE CARD」はどんな人におすすめなのか?
普段JR東日本をよく利用する人で駅ビルの利用も多い人は、「JRE CARD」を持つことで3.5%という超高還元の恩恵を受ける機会が多いだろう。
また、Suicaによる乗車や店舗利用でポイントを2重取りできるのもうれしい。駅ビルでの買い物が多い人やJR東日本を使う人は、一度は検討してほしいカードだ。
>>「JRE CARD」の詳細を見る(公式サイトへ)
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
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