それはつまり、若者の行動は“バグ”ではなく、成長段階に応じた”機能”である可能性を意味します。

もちろん、極端なリスク追求行動は事故や依存症など深刻な結果を招くこともあります。

しかし、若者の行動の背景にある神経基盤を理解すれば、大人が過剰に叱責したり、抑圧したりするのではなく、「どう導くか」「どう共感するか」という視点が得られます。

「若さゆえの無謀さ」には脳回路の違いという裏付けがあることを理解するだけでも、私たちは若者との接し方を見直すきっかけを得ることができるはずです。

次に10代の誰かが思いがけない行動をした時、あなたはその行動を「未熟さ」ではなく、「成長段階における戦略の一部」として見てみるのもいいかもしれません。

(研究チームも指摘するように、今回の知見はあくまでマウスを用いた動物実験に基づくものであり、人間にもそのまま当てはまるかどうかは今後の研究を待つ必要があります)

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参考文献

This Brain Mechanism Explains Why Teens Love Risk More Than You
https://www.sciencealert.com/this-brain-mechanism-explains-why-teens-love-risk-more-than-you

Study uncovers developmentally distinct neural architectures controlling avoidant behaviors
https://medicalxpress.com/news/2025-03-uncovers-developmentally-distinct-neural-architectures.html

元論文

Developmentally distinct architectures in top–down pathways controlling threat avoidance
https://doi.org/10.1038/s41593-025-01890-w