この宿には地元の人も利用する日帰り天然温泉があります。露天の岩風呂には、感涙するほど美しい粉雪が津々と降り注いでいました。ちなみに、気温がマイナス10度を裕に下回っていたので、私以外は誰も露天風呂に現れませんでした(笑)

【第2日】

美しい雪道を車で約30分、一路網走へ。そこには昨日までは沖に移動していた流氷が接岸していました。早速、[観光砕氷船オーロラ号]に乗って流氷の中へ突入です。

約1時間の航海において、船の右舷前方の最下段に立ち、間近から流氷を観察しました。気温は約マイナス5度でしたが、ダウンジャケット+防寒帽子+ネックウォーマーで完全防寒していたため、寒さを意識することはありませんでした。氷と氷がぶつかり合って砕ける時に聞こえるアコースティック・エミッションは、まさに重低音であり、最高の迫力でした!

ド肝を抜かれたのは、パノラミックに目にすることができる水平線ならぬ「氷平線」です。その空間にあるのは海ではなく、米国中西部やアルゼンチンにあるような、どこまでも続く大平原という認識です。スペクタクルな光景(「風景」というよりは「光景」というのがしっくりきます)を観ることができた幸運に心から感謝しました。

さて、流氷の興奮が冷めやらない中、今度はこの日に宿泊予定の紋別に向かいました。雪を被ったサロマ湖を右に見ながらの所要2時間の旅、昼食は名物の[ホタテバーガー]です。

紋別に到着すると、迎えてくれたのが巨大なカニの爪でした。圧倒的な存在感です(笑)

残念ながら今回は、有名な[観光砕氷船ガリンコ号]に乗って流氷を観ることはできませんでした。紋別は流氷が接岸する時期が網走や知床よりも早いため、3月にはなかなか観るのが厳しいようです。

ただ、その代わりに流氷について楽しく学ぶことができる[北海道立オホーツク流氷科学センター]を訪れ、流氷とは何なのかを学びました。オホーツクの四季を半球型スクリーンに投影して見せてくれるドームシアターは迫力満点でした。マイナス20度の厳寒体験室では、本物の流氷が展示されています。濡れタオルを振って凍らせる体験も行なうことができます。水槽にはクリオネもいます。