1億年以上も前の魚竜の化石が精巧な状態で見つかることは、それ自体とても貴重なことです。

しかし今回、チリ・マガジャネス大学(University of Magallanes)の古生物学者らは、1億3100万年前の魚竜化石を発見しただけでなく、その個体が双子の胎児を妊娠していたことを明らかにしました。

白亜紀前期の地層から妊娠中の魚竜が発見されたのは、これが初めてとのことです。

研究の詳細は2025年2月25日付で科学雑誌『Journal of Vertebrate Paleontology』に掲載されています。

目次

  • 双子を妊娠した魚竜化石を発見!極めてレア
  • 頭から?尾から?胎児の出産の方向も明らかに

双子を妊娠した魚竜化石を発見!極めてレア

ジュラ紀から白亜紀にかけて、海を支配していたのが「魚竜(イクチオサウルス)」と呼ばれる海棲爬虫類です。

彼らは恐竜の出現時期(約2億3000万年前)よりやや早く誕生し、恐竜が絶滅するより約2500万年前に姿を消しました。

その見た目は現代のイルカやクジラに似た流線型の体を持ち、優れた遊泳能力を誇る捕食者だったことがわかっています。

これまでの研究で、魚竜が胎生(卵ではなく、人と同じように子供を直接産む)であることは知られていました。