トランプ氏の政治は、米国と世界の分断につながります。その前に米国内の分断があります。有権者が共和党と民主党がほぼ半分に割れ、米国政治は二分されています。特に米国の製造業が衰退し、白人男性が不満を持ち、共和党支持に回っている。衰退した製造業を再生するのが今回の関税引き上げの大きな狙いとされます。その結果、米国は日米、米欧を含め同盟国との分断をいとわないことになった。

つまり「米国内の分断」が「世界の分断」を招いたともいえます。米国の有権者は全世界に向けた関税引き上げという前代未聞の措置は、インフレ、経済停滞という形で米国民に最も重く降りかかってくることを知るべきです。米国の有権者の懸命な判断を期待します。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2025年4月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。