AIロボットは今、私たちの日常にどんどん浸透しつつあります。
すでに工場や病院、レストラン、さらには家庭の中でAIロボットが活躍していますが、興味深いことに、国や文化によってAIロボットへの態度が大きく異なることがわかってきました。
独ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン(LMU)はこのほど、アメリカ人と日本人におけるAIロボットへの態度を比較調査。
その結果、アメリカ人はAIロボットを単なる道具として冷たく扱うのに対し、日本人はAIロボットにも愛着を感じ、尊重を持って接することが示されたのです。
なぜアメリカ人はAIに対して冷たく、日本人は優しいのでしょうか?
研究の詳細は2025年3月22日付で科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されました。
目次
- AIに対してアメリカ人は冷たく、日本人は優しい?
- なぜ日本人はAIロボットにも優しいのか?
AIに対してアメリカ人は冷たく、日本人は優しい?
研究チームは今回、日本とアメリカの参加者それぞれ600人以上を対象に、AIエージェントとどのように協力するかを比較するゲームを行いました。
これらのゲームは、プレイヤーが助っ人と協力するかどうかを選ぶ状況をシミュレーションするもので、ここでは「AIエージェント」と「人間の助っ人」のどちらと協力するか、また両者とどのように接するかが評価されます。
その結果、アメリカの参加者は、AIエージェントとの協力率が人間の助っ人との協力率に比べて大幅に低かったのに対し、日本の参加者はAIエージェントと人間の助っ人を同程度に選択していました。

さらに驚くべきは、AIエージェントに対する態度の違いです。
実験によると、アメリカ人はAIを搾取することに対して心理的な抵抗が少ない一方で、日本人はAIを冷たく搾取することに対して大きな抵抗を感じていたことが報告されています。