日本のメディアは、「トランプはプーチンに騙されている!」キャンペーンを展開していたので、今回の発言は「遂にトランプは自分が騙されていたことに気づいた!」といった流れで受け止められているようだ。

だが、もし次の電話会談の後に、また少し違う雰囲気の発言があれば、「またトランプがプーチンに騙され始めた!」といった報道をするのだろう。残念なことに、学者・評論家層も、こぞってメディア報道にのっかることばかりを考えているように見える。

英語メディアなどで確認してみると、トランプ大統領が一連の発言の全体の趣旨が、少し異なっていることがわかる。トランプ大統領は、「われわれは良い関係にある、もし彼が正しいことをすれば怒りはすぐに霧散する、今週中に電話する」と言って、話を結んでいる。

Trump 'p***ed off' with Putin after Zelenskyy comments - and 'not joking' about seeking third term
In a phone call with Sky's US partner network, NBC News, Mr Trump said the Russian president's recent comments, calling for a transitional government to be put ...

トランプ政権登場によって大きく変わったことの一つが、国連安保理決議が採択されるようになった点であることは、前回の記事で書いた。2月24日の早期停戦を要請する国連安保理決議を棄権したイギリスとフランスは、「有志合同軍」派遣の構想の推進を急ぎ、停戦後の平和活動で、国連が主な役割をとることをけん制しようとしている。

しかし米・露・中が合意した国連安保理決議が出れば、その権威は絶大だ。欧州以外の諸国から反発あるいは懸念の声が上がるとは思えない。ウクライナ単独支援にこだわる欧州(とカナダ+オーストラリア)がむしろ少数派に追い込まれていく構図が、さらに強まっていくだろう。