「独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)」は、初めて正社員として勤務して離職した人に対して離職理由を調査しました。

独立行政法人労働政策研究・研修機構 第2回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査 (ヒアリング調査)
その結果、早期に退職した人の多くが、「労働時間・休日・休暇の条件」「人間関係」「仕事の内容」「仕事がうまくいかない」などの理由を挙げています。
これらの理由に共通するのは、入社前に期待していたことと実際の仕事との間に大きなギャップがあったということです。
期待と現実のギャップ、すなわちリアリティショックが早期退職の原因になっていると考えられるでしょう。
早期退職とリアリティショックは、特に若者の離職率と大きな関連性があるといえます。
近年、日本では若者の職場への定着率の低さが課題となっています。
入社前に抱いていた期待と現実のギャップによってモチベーションが下がることは、早期退職の大きな要因です。
こちらの記事では、新入社員のモチベーション低下の理由とリアリティショックの関連性について詳しく解説しています。
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リアリティショックが起きる原因
立場にかかわらずさまざまな人に起こりうるリアリティショックは、何に起因しているのでしょうか。
ここでは、組織行動論などで知られる甲南大学経営学部経営学科の准教授である尾形真実哉氏が提唱する、リアリティショックが起きる原因を4つ紹介します。
仕事に関するショック
仕事に対する過度な期待が、入社後のギャップを生み、リアリティショックにつながることが多いとされています。
就職活動中は、理想の仕事や会社像を描きがちですが、実際の職場では、想像と異なる状況に直面することがあります。
例えば、仕事内容が単調だったり、人間関係がうまくいかなかったり、労働環境が悪かったりする場合などです。