SNS上では、コロナワクチンの安全性にロット間で差が見られるという情報が流れているが、政府は、それを否定している。

浜松市の開示データを用いて、接種回数別の死亡率を検討した結果、2回目接種群の死亡率が極めて高いことが判明した。そこで、最終接種歴が2回であった80〜99歳の高齢者を対象に、ロット差を検討した(表1)。EY2173による死亡率は、89%と極めて高く、FC9909の49%やFH3023の44%と比較して大きな差が見られた。

表1 ロットによる死亡率の違い

次に、沼津市の開示データを用いて、接種者全員を対象に、コロナワクチンによる死亡率のロット差を検討した。

図4には、沼津市で使用された182種類のロットから無作為に選択した36種類のファイザー ワクチンのロット別の死亡率を示す。最も、死亡率の高いEY5422の24.8%からGE0695の0%まで幅広く分布し、大きなロット差が認められた。また、接種時期によって死亡率に差が見られ、接種開始早期の2021年7月までに使用されたロットの死亡率が高かった。

図4 全接種者を対象にしたファイザーワクチンのロット間における死亡率の違い

副反応報告制度に基づいて、厚生科学審議会副反応検討部会で審議された件数が、ワクチン接種後の全死亡事例に占める割合はこれまで不明であった。

副反応疑い報告制度では、コロナワクチン接種後に死亡した事例を報告するのは、医師が予防接種との関連性が高いと認めた場合とされており、報告するかしないかは医師の判断に任せられている。接種後早期の死亡事例の多くは、報告されていると考えられるが、浜松市の検討では、接種当日の死亡事例でも報告されているのは9人のうち2人、翌日の死亡事例では46人のうち2人に過ぎなかった。

副反応疑い制度の目的は、ワクチン接種に関わる安全性のシグナルを検出することにある。このように、報告率が低い状況下で、その役目を果たすことができるのか疑問である。