さらに、英紙『テレグラフ』が、イギリスの軍人層がスターマー首相の平和維持軍構想を「政治劇」と一蹴した、その他の関係者の間でも拙速なやり方に不満と批判が出ている、と報じた。
Starmer’s Ukraine peacekeeping plan dismissed as ‘political theatre’ | The Telegraph
提案者で旗振り役であるはずのイギリスがこの有り様では、追随する国は、欧州の内部でも、相当に限られてくるのではないか。

マクロン仏大統領とスターマー英首相 マクロン大統領インスタグラムより
これに関連して、ドイツの『ディ・ヴェルト』紙が、外交関係者の発言をもとに、ブリュッセル駐在の中国の外交官が欧州連合(EU)の主要機関に対して、中国がウクライナへの平和維持軍に参加する可能性をEUではどのように受け止めるかと質問していたと報じた。ところがこの報道を中国政府が否定する、という報道も流れた。

中国、ウクライナへの平和維持軍への参加可能性に関する報道を否定
中国の郭嘉昆外務報道官は24日、中国政府関係者が同国による戦後のウクライナへの平和維持軍への参加について協議しているとする報道を否定した。 — ウクルインフォルム.
率直に言って、中国が、イギリスが主導する「有志連合軍」に参加する、などということは、よほどの天変地異がないと、起こりそうにない。最初のドイツでの報道が驚愕の内容であり、おそらくは記者が何らかの事実誤認をした可能性が高い記事であったと思われる。
逆に言えば、中国が否定したのは、あくまでも「同国による戦後のウクライナへの平和維持軍への参加について協議しているとする報道」だ。中国政府は、何があってもウクライナにおける国際平和活動に参加するつもりはない、と言っているわけではない。もし国連安全保障理事会でこの件が議題化されたら、中国が関心を持って積極的に議論を推進する可能性はない、と言ったわけでもない。