ラインそのものの柔らかさと(比重の)軽さにより、ナイロンラインは水馴染みが非常に良い。そのため、水の流れに乗せて漂わせるような釣り方を得意とする。一方、吸水率の高さから一度使用すると劣化が著しいのと、摩耗にはかなり弱く、擦れると切れやすいという特徴がある。

即ち、根掛かりや岩場に弱いのだ。そのため、仕掛け交換を頻繁に行うといった対処を心がけておきたい。1匹釣りあげたらラインをチェックする、ポイントを移動する際はいっそ交換する……といった具合だ。
フロロカーボンラインの特性
フロロカーボンラインはややコシがあり、ナイロンラインに比べると硬い印象を受ける。また、ナイロンラインほど伸びない・摩耗に強くクセが付きにくいのも大きな特徴だ。水を1とした際の比重は1.78~1.80程度と、ナイロンラインと比べるとかなり重く、吸水率もナイロンラインほど高くない。

メリット&デメリット
先述した通り「摩耗に強い」という事は、耐久性が優れているという事だ。根掛かりに強く、仕掛けを作る際にクセが付きにくいというのは、細イトを使用する上で大変なメリットと言えるだろう。また、比重の重さとコシの強さを活かし、強い流れにおいても狙いの場所へピンポイントでエサを送り込むといった事が可能となる。
吸水率がそれほど高くないという事もあり、劣化しにくいのもメリットと言えるだろう。反面、仕掛け全体がすぐに沈んでしまうため浅瀬(チャラ瀬やヒラキなど)でのコントロールがやや難しいのと、水に馴染ませるには少々テクニックが必要だ。
釣り方による使い分け
では実際の釣行では、ナイロンラインとフロロカーボンラインをどのように使い分けるべきか、著者の考えを書いていく。前提として、渓流エサ釣りのラインは大変細くデリケートなので、ストック品が水に水没したり直射日光を避ける等の配慮が必要だ。