明らかにヨーロッパは苦境にある。このまま威勢のいい言葉を発し、全てはトランプ大統領が無能だから起こっていることだ、とさえ言っておけば、ダラダラと現状を維持できる、と思っている者はいないはずだ。だが打開策がない。全ては「ウクライナは勝たなければならない」主義を3年間もの長期にわたって続け過ぎたことが原因である。
地理的に遠いため深刻度が低いだけで、日本も同じ事情を抱えている。
巷では、トランプ政権の評判は悪く、ヨーロッパが良識派として扱われている。率直に言って、日本の学者・評論家・ジャーナリスト層のトランプ政権に対する侮蔑の度合いが激しすぎる。
しかし「ウクライナは勝たなければならない」がどうなったのか説明責任を果たすことなく、ただただひたすらトランプ大統領が無能であることが問題であると述べ続けていれば、それで何とかなっていく、と本当に信じているのだろうか?
先行きの見通しが非常に暗い。
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「篠田英朗国際情勢分析チャンネル」(ニコニコチャンネルプラス)で、月2回の頻度で、国際情勢の分析を行っています。