最近、出版コンテストの数が増えています。これらの、出版コンテストに片っ端からエントリーする人は、「出版ニキ」と言われているとかいないとか。本稿では、出版コンテストの実態について掘り下げていきます。

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出版コンテストとは何者か

最近、出版コンテストの数が増えています。出版社が主催するものであれば、出版が保証されます。著者や出版コンサルタントが主催するものは、編集者がゲストとして参加し、興味のある企画に対して札を上げる形式になります。

しかし、主催者と編集者が結託しているケースが少なくなくありません。参加者全員に札が上がったとしても、編集者は本気で検討する気持ちがないため、これらの結果が出版に結びつくことはありません。

次に目立つのが、出版コンテスト詐欺です。受賞者の企画がある程度進むと(企画通過、執筆活動等)、担当者から次のような連絡が入ります。

「現在、世界的に資材高騰の影響で、この企画を本にすることが難しくなりました。本にしたいのであれば、○○万円の費用がかかりますが、どうしますか?」といった内容です。

出版を希望する人の「夢を食べる仕組み」が広まっているのです。このような背景があることから、私は出版コンテストに対して少々懐疑的な姿勢を取っていました。

出版コンテストの講評

このような中、2月にきずな出版(新宿区)の出版コンテストがリリースされました。当初は詳細情報が公開されていなかったこともあり、少々辛口に講評をおこないました。以下の記事も参照ください。

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