もちろん心情的には、ゼレンスキー大統領には同情するべきところもあるだろう。トランプ大統領を憎むあまり、どこまでも頑なに反プーチンであるかどうかを価値基準にした政策をとり続けるのも、一つの選択肢ではあるだろう。

だがゼレンスキー大統領は、四千万人の人口がいた国の大統領である。戦場で今もなおたくさんの人々が倒れ続けている。

私としては、政治家には「心情倫理」と「責任倫理」がある、というウェーバーの『職業としての政治』を思い出さざるを得ない。

果たしてウクライナは、これからどうなっていくのか。正直、私も、不安だ。

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