また、女優に対しても同じようなプレッシャーがある。若々しさを維持すること、ルックスに対する厳しい評価、演技力だけでなくプライベートの行動までも完璧であることが求められる。特に年齢を重ねた女優は、「美しくあるべき」「若さを保つべき」という社会的圧力を強く感じることが多い。
19人の女性監督と仕事
こうした現状に対し、キッドマンは具体的な行動を起こすことが必要だと考えた。2017年の#MeToo運動が最高潮に達した際、彼女は「18か月ごとに女性監督と仕事をする」と誓ったのだ。
この約束は単なる目標ではなく、映画業界のジェンダーバランスを改善するための行動でもあった。
「変えることはできる。」
「でも、それを変えられるのは、実際に女性監督の映画に出演することだけだ。」
彼女の取り組みは形だけのものではなく、実際のキャリアの中で着実に成果を上げている。キッドマンはすでに19人の女性監督と仕事をし、プロデューサーや俳優として積極的に女性映画人を支援してきた。
最新作『Babygirl』と監督との特別な絆
こうした取り組みの一環として、キッドマンは最新作であるエロティック・スリラー『Babygirl』で、オランダ出身の作家兼女優ハリナ・レインとタッグを組んだ。
レインは、キッドマンとの特別な関係について語り、「スピリチュアルな体験だった」と振り返っている。
「私は、誰かとこれほど早くつながりを感じたことはありませんでした。」
「私たちは、人生や仕事に対する姿勢が似ているんです。どちらも強いコントロールを求め、徹底的に準備をするタイプです。」
キッドマンが「完璧を求められるプレッシャー」に苦しみながらも、自らのキャリアを築いてきたことを考えれば、同じくこだわりの強い監督とのコラボレーションは必然だったのかもしれない。