ニコール・キッドマン photo: Tinseltown / Shutterstock.com
世界が彼女を賞賛し続ける中、ニコール・キッドマンはある言葉を聞くたびに違和感を覚えていた。その言葉とは――?
数々の名作に出演し、演技派女優として確固たる地位を築いてきたニコール・キッドマン。彼女はスクリーンの中でも外でも、圧倒的な存在感を放ち続けている。しかし、世間が彼女に対して抱くイメージには、ある”誤解”があるという。
その”誤解”は、ハリウッドにおける「女性が完璧であることを求められるプレッシャー」と深く結びついているという。常に非の打ちどころのない存在であることを期待され、少しのミスも許されない世界。そんな中で、キッドマンはどう生き抜いてきたのか? そして、なぜ彼女はその褒め言葉を嫌うのか?
「あなたはスーパーマンみたい」
『TIME』誌の「今年の女性13人」の一人に選ばれたキッドマンは、インタビューである褒め言葉をよく言われるが、実はそれを「嫌いだ」と明かした。
「皆が『あなたはスーパーマン(超人)みたい』と言うんです。」
「でも、それが大嫌いなんです。」
一見、最高の褒め言葉のように思えるこの言葉だが、キッドマンにとっては違った意味を持つようだ。彼女がこの表現を嫌う理由は、ハリウッドにおける「常に完璧であることを求められるプレッシャー」にある。
ハリウッドにおける「完璧」のプレッシャー
キッドマンは、ハリウッドで女性監督や女優、プロデューサーがあらゆる作品において「完璧」を求められる現状について問題提起した。
映画業界では、特に女性に対する評価基準が男性よりも厳しく、「小さなミスも許されない」という風潮が根強い。例えば、男性監督の作品が批評家から酷評を受けても、次のチャンスを得られることが多い。一方、女性監督が失敗すると「女性監督はリスクが高い」と判断され、次の仕事に影響が出ることがある。