すかさずキーパーから外し、竿尻を下腹部にあて、竿を両手で支えながら構えるものの、ファーストランは本当に強烈。

というのも、この魚はハリ掛かりした直後に根に戻ろうとするため、リールのドラグはきっちり締め込んでおくことがデフォルト。つまり、ミチイトを引き出されないよう、カンパチの引きを耐えることが求められる。

何度も竿がのされそうになりながら、渾身の力で耐えながら、電動で巻き上げていく。これまでの経験から、推定20kg近い大きさと判断。断続的な強引に何度も耐えながら、残り20mとなったところで最後の突っ込みを見せる。

自分の上体が持っていかれそうになりながらも船べりで何とか耐えていたが、次の瞬間、一気にテンションが抜けてしまった。

「あ~っ」と船長含め、仲間の声。せっかくのチャンスを逃してしまった悔しさはもちろん、全身に訪れる虚脱感で思わず天を仰いでしまった。

7.2kg確保に安堵

カンパチからのコンタクトが明確になったので、次の流しも同じく高めのタナからの落とし込みに狙いを絞る。同船者にも情報を共有。すると、北原さんがアタリをとらえる。しっかりと食い込ませてから、危なげないやり取りで、船中1尾目となる5kg級をゲット。

次の流しでは、私に再びアタリ。ハリ掛かりするまでしっかりと待ってから竿を立てる。

1尾目ほどのトルクの強さはなかったが、それでもこの突っ込みは何度味わってもパワフル。無事にリーダーが入ると船長がタモ取り。7.2kgをゲットし、ホッと胸をなでおろす。

同じエリアを何度か流し直し、北原さんは6kg級を追加したが、その後、アタリが遠のいてしまう。

全員カンパチ手中

10時半の時点でムロアジの在庫は残り6尾。延長しての釣りが難しい状況のため、船長は「港へと戻るルートの中で、やりましょう」と話し、ポイント移動。

晴れ渡った空に稜線が映える八丈富士がじつに見事。亜熱帯らしい原生林が広がり、自然あふれる景色を船上から楽しむのも八丈島遠征の楽しみ。

「八丈島」遠征釣行で良型カンパチ全員安打に5kg超えオナガダイなど充実釣果【アサギク】ナンヨウカイワリも出た(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)