ジョー・ハーン(Photo Credit:1ssul)
【韓国ライブレポート】リンキン・パーク(Linkin Park)新章開幕-短期間で進化し続けるエミリーの覚悟と、“Kintsugi”に込められた思い【9.28】
ジョーに続いて、今度はマイクのソロパートへ。ラップが際立つリンキン・パークの楽曲「When They Come for Me」と、マイクを中心とするヒップホッププロジェクト“フォート・マイナー”の代表曲「Remember the Name」をマッシュアップしてパフォーマンスするマイク。それを支えたのまた、新メンバーのコリンだった。音楽プロデューサーでもあるコリンはこのソロパートでギターも披露し、途中からドラムスへ移行。会場の空気をラップで変えるマイクの裏で、コリンも幅広い才能を見せた。

コリン・ブリテン(Photo Credit:1ssul)
韓国をルーツのひとつとして持つジョーが「ヨブセヨ(もしもし)」「カムサハムニダ」など韓国語を口にし会場を盛り上げると、続いて「A Place for My Head」を披露。
さらに、コリンが会場の手拍子を煽って始まったのはアップテンポな「Given Up」。電子音を使用しない間、DJであるジョーはカメラを手にステージ中を歩き回り、会場の大画面にはそのダイナミックなカメラワークが展開した。
「One Step Closer」では真っ赤染まったステージの上で会場とともに叫び声を上げるエミリー。シャウトの迫力も始動時から大きく強化されているのは明らかだ。
<崩壊>を経た彼らの強く美しいメロディー
「One Step Closer」の最後の“Break”(壊れる)に呼応するように始まる3番目のパートは、<Collapse>(崩壊)と呼ばれる。映像には大きなヒビが入り、ステージはブラックアウトした。
前ボーカル、チェスターを失い、今年まで7年間楽曲をリリースしなかったリンキン・パーク。これまでの彼らには二度と戻れない状態は、メンバーにもファンにも深い悲しみをもたらした。悲しみと停滞を表すように、ヒビ割れが映った画面と悲壮的な音はしばらく続いた。