などが指摘されている。
すなわち、その大半が「まち、ひと、しごと」のうちの「ひと」(高齢化と少子化)に関係した問題になっていることが、10年間の試行により判明したのである。
「少子高齢化、人材確保(働き手)、担い手、後継者不足」はまだ「課題」なのか?
このうち「少子高齢化、人口減少、人材確保(働き手)、担い手、後継者不足」については、少なくとも40年以上も前から政財界だけではなく学界でもマスコミ界でも予測されていたことであり、今さら「課題」に位置づけるテーマでもない。
「介護保険制度」のみが国民の評価が高い
この40年間で、国の対応で国民の評価が高い制度は「少子高齢化」のうちの「高齢化対応」のための「介護保険制度」であり、2000年4月から国民のために十分な機能を発揮してきた。
さまざまな問題が指摘されてはきたが、介護保険がなかったならば、並行して進んだ小家族化と単身化により、当時家族が担っていた介護・看護機能が消滅したまま、大量の要介護難民が全国で発生していたはずである。
第1次産業では「70歳高齢者」に期待せざるを得ない
しかしその反面の少子化は、40年かけても解消されず、全分野で後継者不足の主要因になってきた。とくに農漁業、山林業などの第1次産業では「70歳高齢者」に依然として依存せざるを得ない状況が続いている。
「基幹的農業従事者」の超高齢化による限界
図1で示されるように、「基幹的農業従事者」(農家の世帯主)の高齢化がすでに限界に達してきた。2023年で既に7割近くが70歳以上の農家の世帯主に10年後まで現役をお願いすることは難しい。そのためわざわざ図1には(注)まで付けて、その厳しさが指摘されている。
ところが、政府の『経済財政運営と改革の基本方針2024』(2024年6月21日)では農業の持続的発展に向け、地域計画を踏まえた担い手の育成・確保」だけが文字としては認められるだけであり、日本全国の高齢化の15年先を走る農家の世帯主の高齢化に対しては、具体的な対応が現実的な有効性をもってこなかった注3)。